人は見かけに寄らないねぇ
#ある日の昼下がり 、バスに乗ろうと最寄りのバス停へ。
近づくと、既に先客が一人。
石で出来た背もたれのない、4つ並んだ四角い椅子の右端に
見た目で、80歳を優に過ぎているであろう
細身で小柄の可愛らしいお婆ちゃんが、背を丸くして座っていた。
私がバス停に着いてから、5分ほど待った頃
バスがバス停に入ってきたことに、パッと気づいたそのお婆ちゃんが
椅子に座ったままクルリとそちらに向き直り、スッと立ち上がると
あれよという間に、サラッとバスに乗り込んで行った。
思わぬ軽い身のこなしを目の当たりにした私は、心の中で驚きつつ
感心したのだった。
人は見かけに寄らないねぇ。
時に、そう思わされる物事に遭遇する。創作大賞2024 #エッセイ部門
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