新生活
この季節は、新しく移り住んだ方の新生活準備の買い物の様子に出くわすことが増える。
大学進学、新社会人など、心踊る本人と少し不安な親子の会話がなんだか懐かしかった。
私の場合、生活の固定費を抑えるために、大学卒業後も実家から出勤していた。
その後、少しだけ東京で一人暮らしをした後に、転勤で東北に移り住み、意図せず一人暮らしが始まった。
両親と生活用品を選ぶことはできなかったが、当時、同じく転勤になった職場の同期と、社宅での新生活の必要品を買い出しに行ったのは懐かしい。
真冬の東北での新生活は、関東でしか暮らしたことがない私には未知数だった。
けれど、食料品がうまいのと、鮮度がよく腐らせることがなかった。これだけでもすごい事だ。それと、貰い物、お裾分け、美味しい料理を作れる人が多いことも楽しかった。
おかげで、食べ歩きが当時の趣味になっていた。
だから、冬が明けて春が近づくこの季節は、当時のことを何度も思い出している。
私にとって、毎年の楽しみでもある。