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日常生活の構造

「建築雑誌」3月号を改めて読み直してる。
この号は、本当、考えさせられる論考が多かった。

中でも気に入っているのは、p.34の大橋香奈さんの論考だ。

「日常生活の構造を理解する 時空間日誌を手がかりに」/大橋香奈

人々が日常的に行っているルーティンや習慣は、様々な研究分野において、生活を理解するための重要な分析単位になると考えられてきた。しかし、人々はそれらについて些細で言及する価値がないことだから、プライベートなことだからと言って自ら積極的に語る事はあまりない。

本文より

スウェーデンの地理学者トーシュテン・ストランドらは、マクロな視点からの統計や確率論だけでは、人間の生活の質や暮らしやすさについて考えることができないという問題意識を持ち、時間地理学の考え方を提唱した。
それぞれの役割は、一定の時刻一定の場所で、他の一定の人々及び道具と結びついた上で一定の長さの時間の中で実行される

本文より

人々が、社会生活のなかで、様々な役割を果たしていることに注目した。

行きの電車では、会社の仕事で成果を出すと言うプロジェクトを意識して、社会情勢を理解するために新聞を読むと言うアクティビティーを実行している。
これに対して、帰りの電車では、夕食を作ると言う妻としてのプロジェクトをよりよく達成するために、料理情報サイトのクックパッドを見ていた

時間地理学の1.アクティビティ、2.プロジェクト、3.制約といった概念を使い、人々がいつ、どこで、何をしているのか、その理由や背景として何があるのかを調査、分析することで、一人ひとりの日常生活の構造が次第に見えてくる。

新しい働き方を考えるために、1日の行動パターンを整理して、傾向分析してみたいと思った。

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