2021年9月29日 6週5日

夜になるとどうも胃に不快感が上がってきて寝付けない。

高校生が自宅のトイレで出産し、袋に入った子供の死体が見つかったという事件の記事を目にした。年に何度か10代や妊娠を口外できない立場に追いやられた女性の同様のニュースとすれ違う。その度に引っかかりを覚えたが、いざ自分が妊婦になってみると、それがいかに辛いことかの解像度が上がった。

誰にも言えないままの妊娠。まず有無を言わさず変化する体に、たったひとりで耐えなければならない。妊娠というのは、体がどんどん自分の管轄下を離れて勝手に変わっていく。思うように行動できなくなり、つわりが重い場合は日常生活もままならない。私はまだ軽い気持ち悪さしか知らないが、それでも1日の内の稼働率はすでに落ちている。これは鞭打ってどうこうなるものではない。

私が私から離れていく感覚は、生まれてくる者のためなら耐えられるが、そうでなければただ恐怖である。望まないものが自分の内に育ち続け、自分を変形させていくのは地獄ではないか。
それに10代の子が耐えていたのだ。たったひとりで。

私はまだ妊娠の序の口しか知らない。けれどすでに、傍にいる人に気遣われ、助けてもらい、望むからこそこの変化を受け入れていける。

これまでこういうニュースの、産んだ、というところにフォーカスしていたが、それまでの時間、10ヶ月あまりの長い毎日をどんな気持ちで過ごしていたかの方が気になる。息をしている間じゅう逃げ場がない。
彼女は父親の通報によって逮捕された。
いきなり逮捕ではない方法はないのか。


今日は朝からたまごのトーストサンドなら食べられる気配がして作る。やはりおいしかった。
義母からフルーツバスケットが届く。シャインマスカットが輝いている。桃に梨、オレンジ。

午後の用事を済まし、バスで移動しているとやや気持ち悪くなってきた。降りる予定のバス停のひとつ前で降りて冷たい午後ティーのレモンを買って飲みながら歩くとましになってきた。

夜はなぜがカレーうどんなら食べられる予感がした。そう思ったものは食べられ、それ以外のものはあまり受け付けないという日替り新ルールでしばらくは生きていくのか。

時間帯によって胃がどんよりし、横たわりたくなる。

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