2022年1月16日 21週6日

8時半起床

朝 カレー残り

10時40分から上映のカール ドライヤー「ゲアトルーズ」を観に夫とバスで映画館へ。
カール ドライヤーは「裁かるるジャンヌ」しか観たことがなかった。ゲアトルーズが遺作らしい。
様式的な演技、モノクロを最大限に引き立てる照明、美術、衣装。作り込まれたフィクションの密度。上流階級の夫人であるゲアトルーズの生涯を2時間で描いている。〇〇夫人という立場は夫の権力や財力に照らされてアイデンティティを得るが、安定した生活は気の遠くなる退屈であった。ゲアトルーズは自分の意志の方向性を持った女性で、今の地位を不意にしても本当の愛を求めるが…。という話し。

見終わって稽古に向かう夫はバスに乗った。私はイオンモールに用があり、買い物をしてその後バスで最寄駅まで帰り、業務スーパーにも寄って帰宅。

午前中から動き回ってやや疲れた。
洗濯物を干し、冷凍庫に残っていたナンに業務スーパーで買ってきたピザソースとチーズを乗せて食べる。

横たわっていると胎動。日に日にはっきりとしてくる。今日は特に張り切った感じで、いつも右下腹部にキックかパンチが来るが、下腹部全体が波打つようだったりバリエーションを披露してくれた。

胎動を受け取れることがうれしい。これは何の喜びなのだろう。妊娠するまでは子供はいてもいなくてもどちらでもいいと思っていた。妊婦も切望の末に、というより授かりものだった。

ここにいるということが単純にうれしい。欲しいものを手に入れたり、他者から評価を受けたりすることとは異質な、社会的な関わりと無関係な喜びがある。

妊婦、出産は出来事でそれらは物質的に手に入るものでなく、今後際限なく私に影響を与える他者のはじまりを経験することである。私にこれほど接していながら私のものでも成果でもなく、宿った者そのものの生命力で、しかしすでに何より喜びである。
私の内にありながら私の外部にある喜び。命が生まれることは個人的な欲望を突き抜けていく。
こんな感情があることは知らなかった。



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