いち子さん、僕の彼女の家を(1)
10年くらい前。
僕が30代で
いち子さんが70代。
僕が今の妻と同棲していて、
お互いの両親にも紹介済で
「いよいよ」の時期の頃のお話。
その頃、僕も妻も働いていた。
僕が妻のマンションに住む方が
妻の通勤には都合が良いこともあり
妻の家に僕がいる事が多かった。
いち子さんも
妻の家に訪ねてくるくらいの
関係にはなっていた。
ある夏の日。
彼女がいない時に
いち子さんが、訪ねてきた。
特に用もなく。
そして,僕と茶を飲んでいた。
しばらくして、
いち子さんがつぶやいた。
いち子:「・・・暑い、この家は暑い」
みちる:「まぁ(暑いか)なぁー」
いち子:「でしょう。」
僕の家族はどっちかというと
「暑がり」が多い。
夏はガンガンに
エアコンを効かし
キンキンに部屋を涼しくする
タイプの家庭だっだ。
彼女のマンションは、2DKで
一部屋はくつろぐ部屋
もう一部屋は寝室だった。
くつろぐ部屋にはエアコンがあったが
寝室にはエアコンがなかった。
いち子:「はぁ~,寝る時,エアコンないの?」
みちる:「まあ・・・」
「となりの部屋のエアコンつければ,
そんなに暑くないし」
いち子:「・・・」
(続く)