新聞モニター終了
6月から書き始めた地元の新聞でのモニターの仕事が、この9月に最終回を迎えた。2週間分の紙面について月1回、1200字程度で書く。
たった4回だったが、濃い仕事だった。
素材は決まっている。14日分の新聞である。自分の気になる記事があろうがなかろうが、この中からテーマや切り口をひねり出さなければならない。新聞社に対して意見を言わなければならない。感想文ではないのだ。
担当する期間のすべての記事が対象です、とのことだったが、スポーツ欄やエンタメ欄、全国ニュースや政治欄ははじめから読まないことにした。共同通信社配信の記事が多く、そうした記事について意見を述べても意味がないと思ったから。あくまでも、地元の新聞社の記者さんが取材しているもの、署名記事に的を絞って読んだ。
そして、ブックライティングの手順と同じように素材集めをする。
毎日気になる記事をノートに手書きでメモする。あとで検索しやすいように、新聞に付箋を貼っていく。10日分ほどの素材がたまったら、ノートを見ながらワードファイルに打ち込む。この段階で、「何月何日、何面、記事のタイトル、気になった点」を1、2行にまとめる。ノートに書かれた情報を簡潔にし、一覧しやすくするためだ。
このワードファイルをプリントアウトし、眺めながら構成を練る。構成が固まったら書き始める。新聞モニターが担当するのは14日分の紙面だが、14日分まるまる読んで考えていたら翌日正午の〆切に間に合わない。そのため、だいたいモニター期間の終わる3日ほど前から書くことが多かった。実質的には10日分の新聞モニターである。
最終回は出張とばっちり重なったため、〆切を1日早めてもらった。それなのに、早めた〆切の直前にも出張することになった。宿で空き時間に原稿をつくるため、10日分の新聞を東京まで持参するはめに。書店のショップバッグに入れ、上に乗って空気を限界まで抜いて嵩を小さくし(布団や衣類の圧縮袋の要領で)、膨らまないよう、布ガムテープでがちがちに固めて持っていった。しかも、それをまた持って帰ってくるのだから(鹿児島に戻って記事を仕上げるのだ)、最後には自分で自分のやっていることが笑えてきた。
ともあれ、無事に〆切を破ることなく終えられた。限られた素材でテーマを見つけ、それを制限字数内にまとめる、いいトレーニングになった。
あ、思いがけない人からの「読んだよ」や感想もうれしかったな。ありがたい仕事でした。