「うまい写真を撮らなくちゃいけない」という呪縛への処方箋【もろんのんさんInstagramゼミ】
”写真はうまい下手ではなく、まずは撮ってみる。そこから始まる”
普段コスメ系の企業でマーケティングをやっているみる兄(@milnii_san) と申します。
先日、明日のライターゼミ(明日ゼミ)特別企画の第一弾としてフォロワー12万人!!嫁公認アカウント5歳さんのTwitterゼミ「SNSにおける「親近感」と「信頼」について」のレポートを書かせていただきました。
初のレポートで不安でしたが、「Twitterのフォロワーが増える道のりや楽しみ方を学んだよー」というコメントをたくさんいただき喜んでおります。
・・・ただ、ほぼほぼ書き上げていた今回のもろんのんさんのInstagram編のハードルが上がったと勝手に解釈してしまい、noteを大幅再編集をしてようやく書き上げました。
TwitterとInstagramは違う国家なのかと思うくらい好まれる世界観が異なります。前回の5歳さんのTwitterゼミと今回のもろんのんさんのInstagramゼミの内容で読み比べていただけるとより理解が深まるかと思います。
1.もろんのんさんのご紹介
今回のプレゼンターのもろんのさんはInstagramのフォロワー7万人超え。撮影もライター業もトークもできて、マルチにご活躍中のフォトグラファー。動くもろんのんさんをご覧いただきたい方はこちらの動画をぜひ。
実は明日ゼミでご一緒する前から、下記noteでお名前は知っていました。「Instagramが私の個性を殺したか」の記事は今読んでも秀逸です!
偶然、明日ゼミに行っている同僚が、
「スナップマートの方と名刺交換しました。」
と話していたので、
「スナップマートといえば、”えとみほさん”と”もろんのんさん”っていたよねー。」
と伝えたところ、
「この人(本名の名刺)、もろんのんさんご本人ですよ。」
「えっ?」
という偶然つながりから、ご挨拶させていただきました。
2.撮ることとInstagramの道のり
もろんのんさんがInstagramを始めたのは学生時代の甘く切ないエピソードがきっかけ。原体験がある物語はステキです。その道のりで大きかったのが、フォトグラファーのwagnusさんとの出会い。撮ることのイロハを学んだそうです。
その後、カメラ女子=サブカルという時代、女子インフルエンサー(=パンダ)という時代を経て・・・現在、スナップマートのクリエイティブディレクター&トラベル系フォトグラファーとしてご活躍しております。
ちなみに、もろんのんさんは20代前半!若いですけど、学生時代からバリバリお仕事案件をやっていたので、私見ですが業務経験値は10年目の中堅社員級のビジネスウーマンです。
そんなInstagram半生で、好きに、自然にInstagramを続けてきた中でドラマチックなことが起きたそうです。
それが、
Instagram公式おススメユーザーに!
当時1万フォロワーくらいだったそうですが、それがきっかけで2万⤴、3万⤴とフォロワーが爆増!!コツコツSNSをやっていると「SNSの神が舞い降りてくる。」ようです。インフルエンサーさんの「〇〇砲」などありますが、「Instagram公式砲」というのは、いまだかつてない破壊力です。SNSに愛されていますね。
3.撮るときに大切にしていること
これから写真頑張りたいという人にお勧めの撮るときに大切な3つのポイントをご紹介いただきました。
① 写真を見る(撮りたい欲を高める)
まず、Instagramの保存機能で事例集をつくるのがおススメ。撮りたい写真、いいなと思った素材を残す習慣が大事。普段自分が撮っている作品とは離れた世界観の写真を保存していることが多いらしいです。自ら興味の幅を広げるという意識が大切なのかもしれません。ちなみに、文章はピンタレスト派。その使い方も興味津々です。
② 写真を撮る
「写真撮るのが苦手で・・・」という話をたまに聞きますが、(自分なんてまさにそれ)そんな人に贈る言葉がこれ。
「うまい写真を撮らなくちゃいけない」というのは完全に呪縛。
この格言は超スピード文章術の上阪さんの書籍にある「うまい文章を書かなくちゃいけないというのは完全に呪縛。」をもろんのんさんがフォトグラファーとして置き換えた言葉。
そして、大切なのは、
「どう撮るかではなく、何を撮るかが重要。」
ということ。この一言を聞いて、ずーっと写真を撮るのが苦手だったんですが、「いま、その瞬間を切り取る」という意識で撮ることを始めてみました。
SNSの良さは、「人とのコミュニケーション」も広がるけれど、「なんとなく通り過ぎてしまう日常」を記録したり、立ち止まって考えてみるきっかけなのかもしれません。
ただ、いきなり写真をバシャバシャ撮り始めると、身内に怪しまれるということもありますのでご注意を~~。
③ 写真を見せる
もろんのんさんは写真の加工をスマホアプリでやっていることも多いようで、実際よく使うのはsnapseed/VSCO/PhotoshopFix/Foodieなどなど。実施にどんな感じで使っているかは、こちらの記事をご参考に
紙媒体などで使う素材の場合はフォトショップでレタッチしてます。
もろんのんさんは、普段写真を撮るときは「SNSで発信すること」は考えていないそうです。その時気になったその瞬間を撮っていて、Instagramは思い出アルバムや日記にのせるという感じで続けてます。
・・・写真に苦手意識がある自分からすると、それが「自然」にできるということが一番難しいところです。
ちなみに、”見る” ”撮る” ”見せる”、はLovegraphの駒下さんの言葉から。シンプルにすっと入ってくる言葉です。
4.もろんのんさんの写真のコンセプト
もろんのんさんは撮る「写真」にコンセプトを持っています。それは、
カラフル・わくわく・ストーリー性(エモい)
これは文字で説明するより作品を見ていただくのが良いかと。
どれもいい!ステキな写真です!
さて、いきなりですが「ここでクイズです。」(これ、ゼミ内でやってたクイズ)実は、今あげた3枚の写真の中にスマホで撮影した写真があります!信じられます??これ、聞いた後も信じられません。プロの構図力ってすごいです。
(・・・クイズの答えは2枚目のこいのぼりと3枚目の紅葉の写真!!)
もろんのんさんのインスタグラムの写真を見ると「らしいなー」と思われる写真があふれています。この「らしさ」が続くと、
「あ、この写真・・・もしかして・・・やっぱり、もろんのんさんの写真だ。」
という感覚が芽生えます。まさに、作品の積み重ねを通じて、その人自身がブランドになるということです。
もろんのんさんがブランドが確立されていると紹介してくれたInstagramアカウントが”Halnoさん”と”ringostarさん”。このお二方は、”ほうき”と”リンゴ”という固定のアイテムを写真に入れることで、自分ブランドとわかるようにしています。こういう楽しみ方もInstagramならではです。
5.もろんのんさんのTwitter編
Instagramが主戦場のもろんのんさんですが、Twitterも活用してます。
もろんのんさんのTwitterの使いかたのポイントは3つ
① 有益な情報を発信する
数年前の自分が知りたかった情報を発信する。というポリシーで、「あの時、こういうの教えてくれればよかった!」という内容をつぶやいています。
たとえば、これ。カメラ初めて男子女子は目からうろこの情報。
加えて、こんなマメ知識も。一眼レフカメラが必要な時は、
①モノにピンを合わせて背景をぼかすとき
②夜の写真を撮るとき
それ以外はスマホでも十分良い写真が撮れるとのこと。
もろんのんさんの「数年前の自分に向けてTwitterで発信している。」というポリシーをそのまま活用して、自分もnoteとTwitterを「5年前の自分に向けて」のメモとして活用することにしました。
② 自分のキャラをだす→親近感わく
Instagramとは異なり、Twitterではちょっと天然な愛されエピソードで、素の部分を出しているそう。
実は、この「キャラを出す」ということは、結構悩んだ上で踏み込んだようです。なぜなら、Instagram上でもろんのんさんをフォローしている人たちは「ちょっと天然なもろんのんさん」のイメージがない。なので、Twitterのキャラクターは求められている「もろんのん像」とはちょっと違うかもしれないなーと思ったそうです。
この話を聞いたときに、インサイトフォースの山口さん(@blogucci)の書籍「デジタル時代の基礎知識 ブランディング」での話を思い出しました。この本はデジマ、SNSに携わる企業、フリーランスの方は必読のわかりやすく網羅的なブランディングの教本です。
その書籍の中でも「ブランドのメッセージやサービスそして体験の一貫性」を守りつつ、マーケットニーズ変化に対応する難しさにふれていましたが、もろんのんさんのSNS活用の例として近いなと思ったのが、スタイリッシュな「ブランド広告」とシンプルに売りを訴求する「折込チラシ」の両方を活用しているユニクロのコミュニケーション。
一説によると「折込チラシ」は柳井社長自ら編集するそうで、「チラシは僕からのラブレター」とおっしゃるくらいこだわりを持っています。
もろんのんさんのSNS活用法も、ユニクロのブランディングと同じように、顧客が求めている「場」と自らの「こだわり」を掛け算し、Instagram(ユニクロのブランド広告)とTwitter(ユニクロのチラシ)それぞれで「らしさ」を守りつつ、丁寧に変化をしているというわけです。
この観点は企業のSNS運用でも当てはまると思っていて、Twitter~Facebook~Instagramでそれぞれの場所で顧客が求めている「情報」やキャラクターとしての「人格」は異なります。それぞれのSNSに合わせて見せ方やコンテンツを変えることは、ブランドの一貫性を崩すということではなく、ニーズに合わせたコミュニケーションの変化だと思います。
好きな写真を続ける中で「らしさ」を積み重ね、多くのフォロワーさんに愛され、そして、InstagramとTwitterで自分のブランドらしさをそれぞれ最適化する。この一連の過程を「自然」にとおっしゃるもろんのんさん。
”彼女はそれを「自然」と言うけれど、人はそれを「才能」と言う”
ということで最後に褒めゴロシで〆させていただきます。
前回の「5歳さんのTwitterゼミ」に引き続き「もろんのんさんのInstagramゼミ」も相当長くなりましてすいません。お二人のSNS論とは・・・
Instagramは「美術館」
Twitterは「プロレス」
です
・・・番外編
SNS特別ゼミ終了後、会場からの質問「これから注目しているSNS、メディアは?」に対するお二人の回答。
書くのを生業としたいなら今は「note」!! だそうです。(なので、いまnoteを書いているといっても過言ではございません。)
note界隈でおもしろいこと書いてるな!となるとライターへの道は切り開かれる。・・・Twitterはちょっと過渡期みたいですね。
もろんのんさんからは、フォトグラファーでnoteを活用している方として保井さんをご紹介。読んだことある人も多いかと思いますが、このnote最高。
こちらのnoteは有料ですが無料部分のみでも大満足。フォトグラファーでなくともマーケやプランナーとして、撮影に帯同する人は必見です。
今回のnoteも内容量が多くなってしまいましたが、自分が感じた学びが伝われば幸いです。もろんのんさん、5歳さん。ありがとうございました!!
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