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【Rapper directory】#7 Tink -ティンク-
彼を知ったのがこの曲だ。
容赦ないディスリスペクトの風雲。
本来、「バトルの側面を否定できない」という事が肯定的に捉えられるのがHIPHOP。
コンプライアンス云々蔓延る現代の曖昧甚だしい風潮を蹴って飛ばすような気持ちの良いディスり!久々に見た!という感覚を覚えた。
自らも卓越した映像クリエイトのセンスを持つ彼が、プロの動画クリエイターKicker氏とタッグを組んだ作品だ。
私はこの作品で彼と、今やラッパー達から熱い信頼と深い共鳴を得る動画クリエイター Kickerさんを同時に知る事になった。
力強いフロウと容赦ないリリックが突き刺さる作品だ。
彼はどんなラッパーなのだろう。
そう思いこの作品を観た後に彼の作品を遡って見るとそこに広がるのはまさにスパイラル。
可愛い猫ちゃんのうた
非リアの恋愛失敗談
Hタウンの女
消えた30万
自らを非リアと自虐する彼が曲の中に展開する「恋愛の酸い」のみが強調されたリリックはただただ刺さるだけ刺さり全ての曲において聴いた後観た後の余韻が重く重くずっと残る。
数分のビートに乗せた振り幅の広いバラエティ豊かなフロウの技がさらにそれを印象付ける。
もう降参だと白旗をあげてしまう自分がいるのは間違いなく彼のラップスキルとワードセンスのせいだろう。
それと同時にこんなにも「堕ちていく哀れな女の心情」を理解してくれている男性はいるのか?と思うくらい恋愛体質な女性の愚かさを表現してくれている。
フィクションかノンフィクションか語られていないところがまた闇を募らせる要素になっている。
そんな彼は…
海上自衛隊という国家の重積を担い
国を守る立場にいる。
過酷な訓練をこなすために制限のある生活にもかかわらずリリックに思いを託しながら邁進し自らの仕事に誇りを持つ姿は彼の曲の中から窺う事ができる。
海自でラップをやってます
そしてこの作品を。
おれはおれなりの…
おれはおれなりの人生謳歌
そうか迷わず一点突破
負の感情纏えば四面楚歌
自己啓発日々人間強化
「こいつヤバイな」がご褒美だから
生き方なんか面白くなった
あるのはどれだけ楽しむかだな
邪魔するヤツらの顔面にバーナー
おれはおれなりの…より歌詞抜粋
あらゆる恋愛のヘルタースケルター
社会における理不尽な
人間模様のカレイドスコープ
そんなストーリーが織りなされる彼の作品は一作一作に重厚感があり聴いた人観た人に共感を誘う。
誰しも経験がある闇の部分にスポットを当てた良い意味での泥臭さのある描写に対して
「同情の念」よりも「天晴れ」という称賛や檄が似合うのだ。
Tinkさんとコラボさせて頂いた作品がこちら
ハッピーウェディング
素晴らしい作品を関わらせて頂き
ありがとうございます。