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ひこうき雲

11月8日(金)
朝、アラーム1回目で目が覚める。最近、1回目で目が覚めることが多い。えっへん。むくりと起き上がる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
澄んだ青い空に羽のような雲。とてもきれいで朝から ときめく。

「にゃーにゃにゃにゃにゃ。」と、声がした。

Oさんが可愛がっている黒猫クロちゃんがやって来た。一生懸命喋っている。頭と背中を撫でる。しっぽをピンと立てて喜んでいる。

この鳴き方は「カカオちゃんどこ?」と言っていたときに似ている。胸が きゅうっとなった。

ウーちゃんとルーちゃんと水槽越しに見つめあう。きゅん。冷凍アカムシをあげる。水槽の水を換える。

修一郎の食事をお弁当仕立てにして ふたつ作っておく。

エフコープのOさんがやって来た。
またアレルギーの話に花が咲く。

グリーンコープさんの元気カーが到着している。お買い物カゴを持って、てくてく歩いてゆく。

空がとても澄んだ青色だった。
そこに真っ白の飛行機雲が5本並んでいた。五線譜みたいだ。ファンタジックでとてもきれい。

そこへまた飛行機が白い雲をたなびかせて飛んできた。

「メガネさん、飛行機雲すごい。」と、言う。

「わっ、すごい。飛行機雲が残りやすい気候なのかな。」メガネさんが空を見上げて言った。

少しの間ふたりともその場に佇んで空を眺めていた。

カゴにミルクや卵を入れてゆく。

「こんにちは。声がしよう思て来てみたよ〜。」レモンさんがやって来た。

可愛いカゴを持っている。

「カゴ、可愛いですね。」と、私。

「そう?昔のよ。これ、はい。」と言って、そのカゴからシークワァーサーを取り出し、ごろごろんと、私のカゴに入れてくれた。

「おいしいよ。」レモンさんが おひさまみたいな笑顔で言った。

80歳を過ぎているレモンさんはいつも にこにこしている。その笑顔がものすごく素敵だ。話し方も優しくて、会うとうれしくなる。そして、とても若く見える。

おしゃべりしながらお買い物をする。

メガネさんが、

「自宅の もみじの葉っぱが暑さで ふにゃふにゃになって、ふにゃふにゃのまま紅葉したんですよ。大丈夫かなぁ。」と、心配そうに言った。

「大丈夫ですよ。」と、私。クローバーとモッコウバラが夏の暑さで枯れたことは決して言うまいと思った。

メガネさんが しんみりした顔をして、くすんと鼻をすすった。

てくてく歩いて帰る。食材を冷蔵庫に詰めてゆく。

絵本の下描きの準備をする。

夕方、遠賀信用金庫のNさんがやって来た。
今度、遠賀町で開催される「とくとく祭り」で、信用金庫の職員さんが司会をされるということ。そのお祭りのポスターにメチャくんを使用したいということ。もちろんOKだ。どしどし活用していただきたい。

裏庭をいっしょに見る。

「お隣の ごはんさんが枝を切ってくれたんです。」と、私。

「すごいですね〜。ずいぶん明るくなりましたね。」と、びっくりしているNさん。

夕方、お仕事から帰ってきた ごはんさんが今日も枝を切ってくれる。

「空が見えるようになったね。」と、ごはんさん。

お隣のパジャマさんが通りかかった。

「すごいですね!明るくなりましたね。」と、びっくりしている。ごはんさんに道具についてあれこれ聞いている。高枝チェーンソーに心惹かれているようだ。

ごはんさんが、切り落とした大量の枝をクローバー畑に運んでくれる。こんもりした小さな森ができた。

バナナさんが通りかかった。

「すごいね!明るくなったね!」と、バナナさん。みんな同じ意見だ。

暗くなってきたので今日の作業は終了。
朧月がこちらを見て ほほえんでいるみたいだった。

いつもご馳走してもらってばかりだが、今日はご馳走させてもらうことにした。
私も食べれるものがある お気に入りのお店へ行く。

ここには いろいろな種類のメニューがある。どれを食べてもとてもおいしい。
ふわふわの卵焼き、バターが効いたほくほくのポテトフライ、一人分のお鍋、石焼きビビンバ、茶碗蒸し、…。

「おいしいね。」

「うん、おいしいね。」

と、何度も言いながら食べた。

おなかいっぱいになった。

暗かったけれど、少しだけ ”こもれびの森” に寄ってから帰ることにする。

しんと静かな森に囲まれている ”こもれびの森”。この静かな森の中には、たくさんの生命がいきいきと息づいている。

お買い物をして、おしゃべりしながら帰る途中、

「みるさん、プラス思考やなぁ〜。」と言って、ごはんさんが笑った。

よく言われる。その方が楽しくていい。

家に帰り着く。

夜、庭に出る。
ぽつりぽつりと星が瞬いていた。可愛い。夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

今日もいい一日だった。


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