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玄関の戸を開けると雪が降っていた

2月4日(火)
朝、目が覚める。
アラームが鳴るちょっと前だ。

素晴らしい!
自分に拍手。ぱちぱちぱち。
むくりと起き上がる。

玄関の戸を開けると雪が降っていた。

はっとする。
すごくきれい。

真っ白で ふわふわの綿のような雪が
次から次に降りてきて、車を屋根を塀を道を
クローバー畑を白く包んでいた。
ずきゅん。ときめく。

朝のぜんぶに
「おはよう!」と あいさつをする。

ウーちゃんとルーちゃんの水槽の水を換える。

庭に出て雪の様子を見る。
少し積もっている。
小鳥や野ネズミならスキーができる。

昨日、ごはんさんとお買い物に行ったとき
ごはんさんが あるものをカゴに入れた。
そのときは それは必要ないような気がした。

そこで、レジに行かせまいと
低い姿勢で ごはんさんの腕を
両手で わしっと掴んだ。

それでも ごはんさんは歩みを止めず、
私はそのままズズズと引きずられていった。

スーパーマーケットの床は滑りがいい。
スキーをしているきぶんになって
ちょっと楽しかった。

小鳥や野ネズミもスキーを
楽しめるような気がした。

修一郎の食事をお弁当仕立てにして
ふたつ作っておく。

雪が気になるけれど、仕事部屋にこもり
確定申告することを決意した。

遅かれ早かれ絶対しなくてはいけないのだ。
ギリギリになって焦ってするより
早めに済ませておいた方がいい。
夏休みの宿題のように。

昨年はギリギリになってしまい、
かなり焦ったのだ。

頭が痛い。
比喩ではなくて毎年本当に頭痛がする。
ともかく途中で止めず一気に仕上げよう。

集中。

とは言いつつ何度も雪の様子を見る。
もう積もっていなかった。

なんとかできた。
ほっとする。

ピンポーン。
チャイムが鳴った。

「は〜い!」と言いながら玄関へ走る。

INA奥さんが赤い毛糸の帽子に
赤い手袋をはめて立っていた。

「寒いね〜。」
と言いながら水色の紙袋を
手渡してくれた。

見ると、新鮮なスイートスプリングが
入っていた。

INAさんの育てているスイートスプリングは
とてもおいしい。

INAさんが

「銀杏ね、レンジでチンしすぎても
 おかきみたいになっておいしいよ。」
と、にこにこしながら言った。

「それ、新しい食べ方ですね。」
と言って、ふたりで笑う。

銀杏の皮をごしごしする。

夕方、ごはんさんが帰ってきた。
雪がちらつく中、昨日の溶接の続きをしている。
あっという間に出来上がった。
強い部品が完成した。

溶接って、お庭でするようなものじゃないと
思っていたので、とてもびっくりした。

お買い物へ行く。
お水とヤクルトを買いたかった。

ごはんさんの用事を待っている間、
視線を感じた。

見ると、小学生低学年くらいの男の子が
じっとこちらを見ていた。
お母さんらしき人は
一生懸命お惣菜を選んでいる。

あまりにじっと見ているので

「どうしたの?」
と聞いてみた。

すると、にこっと笑った。
天使みたいだった。

天使はいろいろなところにいるなぁ。

ごはんさんに重いお水を運んでもらい、
家に帰り着く。

確定申告で散らかった机の上を片付ける。

夜、庭に出る。
三日月がきれいだった。
雲の流れが速い。
雪はもう降っていない。

夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

これからホットミルクを飲もう。
マグカップを両手で包んで
冷たい手をあたためよう。
そして、眠くなるまで絵本の作画をしよう。

今日もいい一日だった。

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