
素敵なものがいっぱいある
11月23日(土)
朝、目が覚める。
すごくきもちのいい目覚め。スッキリ目覚めたわけではないが、甘いキャンディーみたいな目覚め。おふとんの中がきもちよすぎる。極楽極楽。むくりと起き上がる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
外の水道のところに葉っぱが溜まっていたので手袋をはめてすくう。その中から20cmくらいの黒くて つやつやしている太いミミズが現れた。
冬眠しようとしていたのを起こしてしまったのかもしれない。
「ごめんね。」と言いながら、そっと両手で包んでクローバー畑の湿っている土のところへ持っていく。
こんなに大きなミミズがいたら土がとても豊かになりそうだ。
ウーちゃんとルーちゃんが くるくる活発に泳いでいる。こういうときの彼らのエラは鮮やかな紅色になる。
灯油やさんがやってきた。
「車、塗ったんですか?」と、灯油やさん。
「はい。」と、私。
灯油屋さんは塗装が好きなのだ。以前、私が玄関の壁を桜色に塗っているときマスキングテープをくれたことがある。
塗装の話に花が咲いた。
今日は、ごはんさんの親しい大切な方たちの展示会に行く。とてもお世話になっている。私もずっと楽しみにしていた。
修一郎の食事をお弁当仕立てにして ふたつ作っておく。
朝晩は寒いけれど、昼間は まぁまぁ暖かい。何を着て行こうかなぁと迷う。ピンク色のニットワンピースに白いブーツにする。襟に ふわふわがついたジャケットを持って行く。
お土産に地元産のおいしい はちみつを持って、ごはんさんの運転で しゅっぱーつ!
車は…昨日塗装が完成したシエンタで♪
途中でスイートポテトを買ってもらう。
車の中で もぐもぐ食べる。
もくもくした雲がすごくきれいだった。
雨が降ると雲の中を走ることになる峡谷も走る。昼間も山々が美しかった。
ごはんさんが運転しながら、途中の道にある いろいろな場所やお店の説明をしてくれた。驚いたり切なかったり楽しかったり。胸が ぎゅうっとなる神秘的な場所もあった。
景色が街になってきた。
車も人もどんどん多くなる。
博多を通り過ぎ、繁華街中洲を通り天神の真ん中へ。
ごはんさんは すいすい運転する。去年も思ったが、助手席に座っているというのはなんて楽ちんなんだろう。運転してもらえて天国だ。
到着。
会場に足を踏み入れる。
あぁ、素敵。とても素敵。明るくて開放感があって楽しいきもちになる。
Dさんと奥さまのMさんが出迎えてくれた。
みんなで和気あいあいとお話をする。
他の方々ともごあいさつをする。
それから、ゆっくり拝見する。
作品から温かい空気が流れてくる。
オープンでフレンドリーで温かい方たちの手によるものだ。
たっぷり楽しんで会場をあとにする。
帰りに、いつもの天ぷら屋さんに寄る。
ご飯が届いた。天ぷらはまだ揚がっていない。
ご飯を大きく ひとくちほおばって
「幸せ。」と、ごはんさんが言った。
「まだ天ぷら食べてないよ!」と、ゲラゲラ笑う私。
「ここ入ったらもう幸せだもん。」と、ごはんさんがうれしそうに言った。
「それはそうね。」と言って、私もうれしくなった。
本当にこのお店は幸せな空気に満ち満ちている。
心もおなかもいっぱいになって、こもれびの森に寄って帰ることにする。
車を降りるととても寒かった。
こもれびの森の空気は澄んでいて、きりっと冷えている。暗くなった空が美しかった。
中で少し用事をする。
「何か、鳴いた。」と、ごはんさん。
私には聞こえなかった。ミケちゃんではないようだ。大きな鳥か何かの動物のようだ。
外でいろいろ確認をしていると、ザザッ、カタン、ザザザッ、ゴソゴソ…いろいろな音が聞こえてきた。
「動物の音がするね。」と言って、ごはんさんがライトをかざした。
「うん。」と言いながらキョロキョロする私。
すぐ近くを大きめの動物が移動して草が揺れている。真っ暗な中、音だけが聞こえ気配だけを感じるのはちょっとコワかった。ごはんさんは全く普通にしているので ほっとした。コワくないのかなぁと思った。
確認を終えて車に乗り発車すると、鹿が現れた。
バンビより少し大きい。可愛い!すごく可愛い。ヘッドライトで照らされた鼻が黒く ぴかぴかしていた。
「鹿、いたね!」と、はしゃぎながら車は走る。
途中でお買い物をする。
今日も朝から笑いっぱなしだった。
ごはんさんがおもしろいことばかり言うのだ。
アタマがやわらかいなぁといつも思う。
家に帰り着く。
オリオン座が輝いている。とてもきれい。久しぶりにオリオン座に会ったような気がする。あんまり素敵でしばらくうっとりと眺める。
イルミネーションもキラキラ華やかに可愛らしく輝いている。素敵なものがいっぱいある。
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
今日もいい一日だった。