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昨日も今日も おいしいね

2月2日(日)
朝、目が覚める。
ちょっと寝坊した。
むくりと起き上がる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに
「おはよう!」と あいさつをする。

クローバー畑でジョウビタキが遊んでいる。
黒猫ちゃんが のんびりしている。
平和だな。うっとり眺める。

ウーちゃんとルーちゃんに
「おはよ」とあいさつをする。
ルーちゃんが ぷかぁ〜と浮いてきた。
きゅん。

修一郎の食事をお弁当仕立てにして
ふたつ作っておく。

お昼前に ごはんさんと出かける。
今日は大きなバイクで行く。
わくわく。わくわく。

ごはんさんがシートを変えてくれた。
ものすごく快適だった。
止まっても前に滑らない。
ごはんさんに頭突きしないですむ。

風が びゅんびゅん流れてゆく。
いっしょに景色も流れてゆく。

楽しいなぁ。

山も空も草むらもぜんぶが美しかった。
真っ白の むくむくした雲が
白い竜のようだった。

目的地へ到着。
用事を済ませたあと
雨が ぽつぽつ降りはじめた。

この足で こもれびの森へ行く予定だったが
一旦帰ることにする。

「バイクきもちいいね〜。」
と、ごはんさん。

「うん、きもちいい〜。」
と、私。

言葉が風に乗って流れていった。

家に帰り車に乗り換えて
こもれびの森へ しゅっぱーつ!

その前に、まだ何も食べていなかったので
昨日も行った天ぷら屋さんへ行く。

天ぷらを食べる前に

「幸せだ。」
と、ごはんさんが言った。
くすくす笑う。

今日もとてもおいしかった。

「続けて食べても全然飽きない。」

「うん、昨日も今日も おいしいね。」

と、もぐもぐ食べる。

お客さんはみんな おいしい顔をしている。

おなかも心も ぽかぽかになって
こもれびの森に到着。

サザンカの木にメジロがたくさん来ていた。
枝からぶら下がって蜜を吸っていたり
枝から枝へ ぴょんぴょん跳ねていた。

とっても可愛い。
きゅんきゅんする。

ごはんさんが大きな口笛を吹きはじめた。

ピュ〜イ。

すると、前回と同じように
どこからともなく
猛禽類が数羽はばたいてきた。
トンビだろうか、ワシだろうか。

何度か繰り返した。
何度口笛を吹いても
必ず猛禽類が羽ばたいてきた。

やっぱり ごはんさんは猛禽類使いなんだ。
と、確信した。

お買い物をするためにいつものお店に寄る。

駐車場で

「みるさん、空きれい!雲が素晴らしい。」
と、ごはんさんが言った。

その空を見て胸が高鳴った。
青い魔法がかかっているみたいだ。

青い空に青灰色の厚みのある雲と
帯のような淡い雲が織りなす表情が
本当に美しい。

「すごく細い三日月も出てるよ。」
と、ごはんさん。

白い糸のような月が空高く優しく輝いていた。

うっとりとしばらく眺める。

気がつけば
日がちょっと長くなったなぁ。と思う。
ちゃくちゃくと春に向かっているんだな。

家に帰り着く。

夜、庭に出る。
空一面雲に覆われていた。
木々のシルエットが切り絵みたい。
絵本の中の夜のページみたいだ。

夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

今日もいい一日だった。

真ん中より少し上に小さく月が写っている。
鳥たちはカラスかな、トンビかな。
迫力のある空だった

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