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なんか幸せなきもち

10月26日(土)
朝、目が覚める。小鳥の声ってなんて可愛いんだろう。幸せなきぶんになる。
むくりと起き上がる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。

ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。可愛いなぁ。
植物たちに水をあげる。

今日は夕方から こもれびの森へ行く予定。

注文分の絵本を梱包する。

朝、ちょっとしたことがあった。
生きていると、小さな波が寄せては返し、ときに大波が現れ、ときに凪いだ海面になる。

そんなふうに表面に小波や大波は現れては消えてゆくけれど、深海はずっと静かなままだ。それを知っていると、波も大海の一部だと分かる。そして、波の動きを放っておけるようになる。

梱包した絵本をポストに出しに行く。そのままお散歩をする。きもちがいい。
お散歩って楽しいなぁ。楽しくて健康になってしかもタダだ。いいことづくめだ。

パジャマさんが歩いてきた。パジャマさんも毎日お散歩をしている。私とはコースがちがう。気候についてちょっと話す。

てくてく歩いて戻っていると、ご近所のYさんに会った。

「車替えたん?」と、Yさん。

「はい、ごはんさんがくれたんです。」と、私。

「えぇっ!車くれたと!?すごいね。」Yさんが目をまんまるにしている。

「すごいですよね〜、気前いいですよね〜。」と、私。

おしゃべりする。

「さかいさん、歳より若う見えるけ いい人すぐ見つかるよ〜。義両親の世話もずっと頑張ってきたんやけね〜。まだ若いけぇ楽しまなねぇ、ひとりでおるのもったいないよ〜。」Yさんが言った。

「…修一郎、生きてますよ。」と、私。

「あぁっ!?そうね!あっはっはっ!」と、爆笑するYさん。私も爆笑。

笑いながら家に帰る。

修一郎の食事をお弁当仕立てにして ふたつ作っておく。

絵本のラフをスキャンしてゆく。
絵柄とレイアウトを微調整する。

ワコムのペンタブを数ヶ月ぶりに使おうとすると、ペンが反応しない。ドライバのアップデートをしていなかったからかな。アップデートするとサクサク動くようになった。よかった。

夕方、こもれびの森に行くため ごはんさんのお庭へ行く。
ご近所のNさんが通りかかった。

「さかいさん、うちの息子まだ独身ったい。さかいさん可愛いねぇ、もういい人おるん?」と言った。

「…修一郎、生きてますよ。」と、私。

「そうね!あっはっは!」と、爆笑するNさん。私もまた爆笑。

今日一日で 2回目だ。YさんとNさんは仲良し。Wさんも仲良しなので、いまWさんに会ったら同じことを言われるのだろうか?

今年のはじめ、お向かいの Iさんにも

「さかいさん、ひとりで大変やろうねって、おばあちゃんといつも話しとるんよ。なんかあったらいつでも言ってね。」と、言われた。

親子ほど歳の離れている修一郎が外に出なくなってもうすぐ5年。無理もない。

ごはんさんと こもれびの森へ しゅっぱーつ!

道中、ころころしたタヌキが転がるように走り抜けた。しっぽが ふわふわでとても可愛い。

「タヌキ!タヌキ!」と、叫ぶ。

到着。
銀杏がどっさり置いてあった。

先週、ごはんさんと私とで拾った銀杏の皮をYOさんが剥いたようだ。袋を持つとずっしりしている。ごはんさんと「いろいろな人にあげよう」と話す。

少し遠くにある人気の天ぷら屋さんへ行こう!ということになる。

道中、バンビの細道を通る。さらに進む。しばらく行ったところで小さなバンビが 2頭いた。可愛い!可愛い!本当に小さい。ゆっくり通り過ぎる。バンビたちが木のそばから見送ってくれた。

おいしい天ぷら屋さんに到着。

衣を少しだけ外す。
食べれない食材はいつものように ごはんさんに食べてもらう。もぐもぐ食べる。

活気があり明るい店内。長い長いカウンターだけのお店。カウンターに並んで天ぷらを頬張るお客さんはみんな ”おいしい顔” をしている。

「おいしいね。」

「うん、ほんとおいしいよね。」

「揚げたてが食べれるのっていいね。」

「なんか幸せなきもち。」と、ごはんさんが静かに、でも本当に幸せそうに言った。

ここで ”おいしい顔” をしているお客さんは、みんなそんな きもちだろう。だから大人気なのだ。

私も しみじみと幸せなきもちになった。

おなかがいっぱいになってお店を出る。

帰り道、今度は小さな猪が前を横切った。うりぼうから少し大きくなった感じ。こもれびの森とその道中は豊かな自然にあふれている。

家に帰り着く。

ホットミルクを飲む。

夜、庭に出る。
空一面、灰色の雲が覆っている。玄関を歩くダンゴムシが可愛い。ペタペタとガラス戸を歩く赤ちゃんヤモリも可愛い。

夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

明日は朝から ごはんさんとあちこち遠出する予定。忙しくなりそうだ。

今日もいい一日だった。

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