はんぶんこ
12月30日(土)
目が覚めると、カカオが私のおなかにもたれて眠っていた。起こさないようにそっと起きあがるけれど、カカオもいっしょに起きた。
庭に出て、朝のぜんぶに「おはよう!」とあいさつをする。りんごの様子を見る。昨晩は、おさるさんはりんごを食べていないみたい。
カカオにご飯をあげる。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげて水を換えるのを、冬の間は2日に1回にしてみようと思う。エサをあげすぎるのは良くないようだ。あげたいのを ぐっとガマンして、ウーちゃんとルーちゃんにそのことを話す。
「うん、いいよ。でも、すごくおなかすいたらメッセージ送るからね。」と言った。ような気がした。
クロッカンを焼く。
甘くて香ばしい香りが部屋を満たしてゆく。
クロッカンをオーブンから出して、天板ごと冷ます。
次に新しい天板にさつまいもを並べて焼き芋にする。
今度は甘いお芋の香り。
プリンを作る。プリン液を作ってアルミカップに入れる。先日ごはんさんにもらったフライパンで蒸す。
豆ごはんを炊く。
修一郎は豆ごはんが好き。ごはんさんも豆ごはんが好きだと聞いたのでお裾分けする。
お正月飾りを玄関と仕事部屋の入り口に飾る。
このしめ飾りは7年くらい使っていると思う。お正月が終わると、桐の箪笥にしまっておく。そして、次の年にまた使う。そう話すと、みんなびっくりする。
小さくて、ピンク色の水引で、上の方が梅の形になっている。丸いぽんぽんみたいな餅花がついていて、とても可愛い。気にいっている。ちっとも汚れていない。
美術館から持って帰った荷物を片付ける。
庭に出る。
ご近所のYさんが歩いてくる。手に榊を握っている。いつもお仏壇には、お庭の柴を飾るけれど、お正月だけは榊を飾るということ。Yさんの小さなこだわり。おしゃべりしているうちに、
「お正月に飾るならフウセントウワタあげるよ。」と言ってくれた。
「フウセントウワタ?」と聞くと、
「来たら分かるたい。」と笑ったので、ついて行った。
それは、いつもお散歩のときに見ていた不思議な植物だった。
ハリセンボンみたいな実のようなものがなっている。触ると、とげはやわらかい。本当に風船みたい。実が熟して割れた中から白い綿みたいなのがあふれている。その中に黒い種。近づいてよく見ると、白い冠毛に黒い種がくっついている。あぁ、この ふわふわが飛んでいるのをみたことがある。と思う。
フウセントウワタと黄色と赤紫色の小菊を分けてもらう。
家に帰り、花瓶に生けて玄関に飾る。
夕方、ごはんさんとお買い物に行く。
年末年始に楽しむ華やかな食材がたくさんあった。その中でひときわ輝いていたのは、驚くほど大きな椎茸。それは私が育った徳島県の神山で栽培されている椎茸だ。神山といえば、親友Sの出身地。毎回、この椎茸を見るたびに、ごはんさんと
「すごいね〜。」
「すごいよね〜。」
「見て。このじく。」
「こんなに立派なじくは、なかなかない。」と、感嘆し褒めちぎっていた。
でも、買ったことはなかった。それが、今日、ついに!ごはんさんが買った。はんぶんこしてくれるということ。じくは私が食べていいという。ときめく。
そして今日も、修一郎のコーヒーを買う。昨日、いろいろな銘柄のコーヒーを買ったけれど、修一郎はドトールのコーヒーがいいと言う。ドトールコーヒーを買うために別のお店にも行ってくれた。
家に帰り、早速椎茸を焼くことにする。
フライパンにオリーブオイルを熱して椎茸と軸を並べる。岩塩をミルで挽きながらパラパラ多めにかける。蓋をしてじっくり蒸し焼きにする。
6個の椎茸と軸を焼くのに、26cmのフライパンをふたつ使った。それほど大きくて肉厚の椎茸だった。
3個ごはんさんに、2個 修一郎、1個と軸が私。
すごくおいしかった。ぷりぷりしていた。軸もみずみずしかった。大満足。
夜、庭に出る。
静かな夜。濃い夜の色。空一面の雲。ぜんぶが夜にすっぽり包まれている。夜のぜんぶに「おやすみ。」を言う。
夜の中からカカオが帰ってきた。いっしょに中に入る。
今日もいい一日だった。