![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117281604/rectangle_large_type_2_7c2ebaab9a3626912c70b5d4bc837ef4.jpeg?width=1200)
ポポー
9月25日(月)のこと。
カカオといっしょに起きる。ご飯をあげる。ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげて水を換える。修一郎が起きてきたので朝食を用意する。
さつまいもをオーブンに入れてじっくり焼く。
仕事をする。
両親と電話で話したあと、歯科医院へ行く。私の定期検診。
「10月のパッチテストの情報提供をお願いしますと伝えてください。」と先生が言った。忘れないようにしなくちゃ。
そのあと少しだけ、初めての場所へ行く。
帰ってから、お向かいの Iさんと少しおしゃべり。「りんごが紅くなったらおすそ分けするね。」と言って帰る。
早めに夕食の支度をする。修一郎は寝ているので先に食べる。
お散歩する。うろこ雲がきれい。
お花たちに水をあげて少し庭仕事をする。日々草もポーチュラカも まだまだ元気だ。クローバーは緑が濃くなり、いきいきしてきた。よかった。うすくなっていたところも、ふさふさしてきた。
10年くらい、ゴミ置き場のようになって荒れていたこの土地を、ムリして買って耕して、クローバー畑にして本当によかったなぁと思った。
去年の春のことだった。
土地の持ち主のTさんが来ていた。会うのは2回目だった。
「今後ここをどうするんですか?」と聞いたとき、首に金色の太いネックレスをしているのが見えた。ヤンキーなのかなと思って、
「ヤンキーなんですか?」と聞くと、
「ちがう。」と言って笑った。
Tさんがヤンキーじゃなかったら誰がヤンキーなんだろう。もしかしてヤンキーって絶滅危惧種なんだろうか。などと思っていると、Tさんがあれこれ話しはじめた。
これから本格的にゴミ置き場にするようだった。Tさんにとってはその多くはゴミじゃないらしいが。
そんなふうに話していると突然、Tさんが
「でも、売ってもいいかなと思ってる。」と言った。すかさず、
「私買いたい。」と言った。
Tさんは すごくびっくりしていた。
「買ってどうするの?アトリエでも作るの?」と真顔のTさん。
「クローバー畑にする。」と言った。
「クローバー畑か、いいな。」と言ってTさんが笑った。
今日も夕方の空がすごくきれい。水色の空にピンク色の雲がたなびいている。自然が織りなす色彩って感動的だなぁとうっとりする。
「みるちゃん、みるちゃん。」と、バナナさんの声がした。
手に何か持っている。小さな さつまいもかなと思う。近寄るとアケビのように見えた。
「これ、あげる。ポポー、おいしいよ。」と、バナナさん。
「ん?ん?ぽっぽ?」
「ポポーだよ。」と言って、皮を少しむいて中を見せてくれた。
「種がたくさんあるよ。植えるといいよ。」と手渡してくれた。
初めて見た。トロピカルフルーツみたいな香りがする。外側は焼き芋みたいで果肉は山吹色で とろっとしている。外側と中身のコントラストがすごい。
少し食べてみる。濃厚。マンゴーみたいな感じ。食感はカスタードクリームみたい。おいしい。でも、この野生味あふれる感じは、食べすぎるとアレルギーの症状が出そうなので少しだけにする。
お礼を言って中にはいる。修一郎が起きていたので夕食の仕上げをする。
明日、茶碗蒸しをしよう。小ぶりの干し椎茸を2枚、水に入れて冷蔵庫に入れる。出汁をとるために、一晩かけて冷たいお水でゆっくり戻そう。
夜、注文分の複製画の準備をする。
眠る前に庭に出る。夜空に ぽつんと星がひとつ。その星をよけるようにして幻想的な雲が流れてゆく。
カカオは先に私のベッドで寝ている。
今日もいい一日だった。
![](https://assets.st-note.com/img/1695738030151-KgKPnH1dKL.jpg?width=1200)