魔法のようだった
9月13日(金)
朝、目が覚める。
小鳥の歌をうっとり聴きながら、しばらく ごろごろして むくりと起きあがる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。ぱくぱく食べる。可愛いなぁ。
注文分の絵本を梱包してポストに てくてく歩いて行く。青空がきれい。
少し庭仕事をする。
絵具が山盛りの机の上を片付ける。
昨晩仕上げた絵にぴったりの額縁を注文する。
コープさんがやってきた。
食材を冷蔵庫に詰めてゆく。
グリーンコープさんの元気カーがやってきた。
買い物カゴを下げて てくてく歩いて行く。
メガネさんが手を振っている。
メガネさんが先週お休みだったのは、メガネさんの奥さまが入院されたからだった。来週の中頃には退院できるらしい。
奥様が入院している間、学生の頃以来の家事をしたそうだ。
「洗濯とか、家事をしてみて…。」と、メガネさんが言ったので、その後に続く言葉は ”奥さまの大変さが分かった” とかかなぁと思っていると、
「新鮮ですごく楽しかった。」と、メガネさんが笑顔で言った。
それはよかった。
Tさんがやってきた。
「みるちゃん、暑いね〜!」と元気がいい。
「この前いただいたケイトウとマツバボタン、よく咲いていますよ。」と言うと、とても喜んでくれた。
「他の苗もいくらでもあげるから、いつでも取りにおいで。」と笑顔で言ってくれた。
家に戻り食事の支度をしていると、電話が鳴った。
遠賀町役場 企画広報課のKさんだった。
「おんがっぴーのビニール袋が出来たのでお持ちしていいですか?」とのこと。
いつも持って来てくださってありがたいなぁ。と、思う。
Kさんがやってきた。
おんがっぴーのビニール袋を手渡してくれた。厚くてしっかりしている。デザインも可愛い。
おんがっぴーグッズを 1,000円以上購入してくれた方にこの袋に入れてあげるそうだ。ぬいぐるみを入れると ぱつぱつになるらしい。
その他に、遠賀町に引っ越して来た方に、この袋に入れた書類をお渡ししたり、小学校で配ったり、町長が遠賀の特産品を持って出かけるときにこの袋に入れて持って行くということだった。
そのあとは おしゃべり。
昨晩完成した絵を乾かせるためにイーゼルに立てかけていた。それを見たKさんがとても褒めてくれた。うれしかった。
修一郎の食事をお弁当仕立てにして ふたつ作っておく。
夕方、お仕事から帰った ごはんさんが、シエンタのバックドアを取り付けてくれることになった。大仕事になりそうだなぁと思っていた。
手伝えることは何もないので、ドアやハンドルの隙間の汚れているところを歯ブラシでゴシゴシ擦る。塗装するときにゴミがついていると剥がれてしまうから。
バックドアは大きくて重い。
ガコンと外してガチャっとつけるのかなぁと思っていたけれど、そんな簡単なことではなかった。シエンタは7人乗りなのでシートベルトが一番後ろにもあったり、配線があったり、そういうものも外したり取り付けたり処理しなくてはいけない。
まず、今ついているバッグドアを外さなくてはいけない。
リアゲートダンパーというのかな?バックドアを開けたときに支えになる左右の棒も取り外すので、ドアが下がってこないようにするために ごはんさんが脚立を立てた。ちょうどその上にバックドアが乗るようにして支え、てきぱきと内装を剥がして配線などを外してゆく。シートベルトも外す。
大きくて重いバックドアを外して ひとりで運ぶ。
次に新しいバックドアを持ってきて同じように取り付けた。完璧だった。ドアの開閉もランプ類も正常だ。しかも あっという間だった。
すごい、すごいすごいすごい。自分でこんなことができるなんて。びっくりして感激した。ぱちぱちぱちと拍手をした。魔法のようだ。
「すごい、すごい!」と拍手をすると、
「なんがですか。」と、言った。
ぴかぴかのバックドアがついた。
先月、トヨタの人と話をしたとき「ごはんさんがバックドアを注文して取り付けてくれます。」と言うと、すごく驚かれた。「塗装も自分たちでします。」と言うとまた驚かれた。驚かせてばかりだ。
ひとつずつひとつずつ完了させてゆく。
ごはんさんも私も蚊にたっぷり刺された。かゆい。ラベンダーの香りの蚊取り線香を焚く。
少し暗くなった空に ふっくらしたきれいな半月が浮かんでいた。
「もう星出てるね。」と言って空を見る。飛行機がチカチカ点滅しながら飛んでゆく。きれい。
「今朝方の星空ものすごくきれいだったよ。空気が澄んでいて本当にきれいだった。」と、ごはんさんが言った。
今朝方4時半頃か…もちろん ぐーぐー眠っていた。
夜、庭に出る。
ふくふくした半月が心地良さそうに空に浮かんで輝いている。手を振る。星たちもキラキラ煌めいている。素敵。夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
今日もいい一日だった。