素敵なプレゼント
10月4日(金)
朝、目が覚める。小鳥の歌声に うっとりする。むくりと起き上がる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
ウーちゃんとルーちゃんに控えめにエサをあげる。控えめに水を換える。
書類を作成する。
絵本のラフを描く。
午後、ごはんさんと話す。
「椎茸の植え付け、1月〜3月だね。」と、ごはんさん。
椎茸の話や、栗の話、土日の こもれびの森での予定を確認しあう。
コープのOさんがやって来た。
今日もりんごのトキが届いた。
グリーンコープさんの元気カーがやってきた。買い物カゴを持って てくてく歩いてゆく。
手を振るメガネさんがマスクを外している。初めて見た。パンダさんに似ている。
「今日入荷したオススメは新鮮なレタスとオレンジ色のミニトマト。」メガネさんが言った。
「レタスはアレルギーで食べれないけど、トマトなら少し食べれる。」と言って、ミニトマトをカゴに入れる。
家に戻り食材を冷蔵庫に詰めてゆく。
メガネさんオススメのミニトマトを ひとつ食べてみた。甘くてとてもおいしかった。
修一郎の食事をお弁当仕立てにして作っておく。
大きな座卓を せっせと拭く。天板がガラスのローテーブルも拭く。
先日、ごはんさんにお願い事をした。
模様替えをしたときに置く場所がなくなった家具たちを、都合がつくときにリレーセンターに運んでほしいと。たくさんある。快く引き受けてくれた。忙しい中、ありがたいなぁ。
通路に面した廊下に家具を集めておくことにする。重い座卓とローテーブルは元々そこにある。椅子を運ぶことにする。スタッキングできない椅子なのだが、なんとか重ねようとしてみる。
うまく重ならず引っかかっている。右手で椅子を持ち上げて少しずらそうと試みた。重い。ぶるぶる手が震えはじめた。
「私は力持ちだ。ペットボトルの蓋だって開けることができる。」と、自分に暗示をかけてみる。
ぶるぶるぶる。ぶるぶるぶるぶるぶる。
ドン!ガシャーン!!
うぎゃー!!
椅子が左手関節の上に乗った。ものすごく痛くてしばらく廊下でうずくまっていた。右手で左手を押さえながら、
「いてててて…左手でよかった…。」と、心の底から思った。
手の痛みが治り、その場を離れた。
続きは来週だ。
ピンポーン。
チャイムが鳴った。「は〜い!」と言って玄関へ向かう。小包が届いた。東京で暮らすトッツィーからだ。
わくわくしながら開けてみる。
中からとても素敵なブラウスが出てきた。大好きなブラックウォッチのチェック柄。
スタンドカラーで胸元にタックがたくさん入っている。袖は、赤毛のアンが喜びそうにふわっとふくらんでいる。袖口も ふりふりして可愛い。
さっそく着てみる。とても似合う。
お手紙とコミックが 3冊入っていた。「聖⭐︎おにいさん」と書いてある。”とても面白いから時間あるとき読んでみて” とお手紙に書かれていた。
トッツィーと久しぶりに長電話をする。
トッツィーは人生の新しい章のページを開いた。
その話を聞いて、心から ほっとした。
人生の章が変わるときって、案外あっさり変わるもんだなぁと感じる。それまでの大変さや がむしゃらさはどこに行ったんだろう。と思えるくらい。
でも、振り返ってみると、吹く風の方向を知らせる風見鶏は、みな同じ方向を向いていたことに気づく。
その章が第何章になるのかは分からないけれど、トッツィーにとって爽やかな風が吹く軽やかな章が始まったにちがいない。
安心できること、それがとても大事。だと感じる。
優しい人たちの話も聞いて胸があたたかくなった。
トッツィーが小雨の中歩いていると傘に入れてくれた人、ホームで派手に転んだあと電車の中で患部を冷やすものをくれた人。どの人も優しい知らない人たち。
庭仕事をする。
枯れて茶色くなったクローバーが地面を覆っている。そっとめくると中に小さな小さな芽が出ていた。きゅん。うれしい。
夏の長い日照りでクローバーも他の草もほとんど枯れてしまった。その中で、ミニりんごのまわりにリュウノヒゲだけ青々茂っている。
クローバーの小さな芽を成長させたいのでリュウノヒゲを抜いてゆく。コンコン鎌を使って もくもくと抜いてゆく。リュウノヒゲ、ごめん。
お庭のすみっこに、抜いたリュウノヒゲを山盛りに積んだ。あ、なんか可愛い。生き物みたい。夜になったら のっしのっし動き出しそうだ。
バナナさんが通りかかる。ちょっとおしゃべり。
夕方の空がきれいだった。
暗くなったので家に入る。
めんつゆを作る。出汁をとって、砂糖、醤油、みりんで味付け。
絵本のラフを描く。
夜、庭に出る。
肌寒くて ぶるっとする。空一面の雲模様。虫の大合唱。きれいな音色に うっとりする。
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
今日もいい一日だった。
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