火の神様
4月20日(土)
朝、2度目のアラームで目が覚める。すーすー寝息が聞こえてくる。足元でカカオがまるくなって眠っていた。なでなでする。
カカオにご飯をあげる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。
ルーちゃんが水草の間から じっとこっちを見ている。か、可愛い!きゅん。
今日は こもれびの森に行く。
ミケちゃんどうしているかな。と、思う。
修一郎の食事をお弁当仕立てにしておく。
実は数ヶ月前からガスコンロの調子が良くなかった。
今度 ごはんさんとお買い物に行ったときに買って、運んでもらおうかな。と考えていた。その前に、いくらくらいするのかインターネットで見ておこうと思った。ガスコンロを買った記憶は20年くらい前になる。
さっと見る。
ドキッとした。ものすごく ときめいた。
「これよ!これよ!これよ!これっ!」天使がラッパを吹いて私のまわりをまわった。
それはリンナイのガスコンロだった。
なんと、トッププレートがパステルピンクなのだ。本体は白。ものすごく可愛い。胸が躍る。ぽち。
昨日、その、ときめきガスコンロが届いていた。が、前のガスコンロも新しいガスコンロも重くてどちらも移動させることができなかった。
なので今日、こもれびの森に行く前に ごはんさんに設置してもらった。とても可愛い。キッチンが明るくなった。水色の冷蔵庫とよくあっている。
来週、回収業者さんがみえるので、ごはんさんにガスコンロと壊れたファンヒーターを玄関に運んでもらう。力仕事をしてもらえて本当にありがたい。
雨が降る中、しゅっぱーつ!
こもれびの森に到着。
雨で黄緑色のもみじの枝がずいぶん下がっていた。その下を車で通り抜ける。車を降りるとミケちゃんが玄関の前に座っていた。
「番猫だ。」と、ごはんさん。
「ミケちゃん!」と大きな声で呼ぶ。
ちゅーるにお薬を混ぜてミケちゃんに食べさせる。元気そうでよかった。
今日は遠くまで行く予定。
手短に用事を終えて しゅっぱーつ!
雨の中、車は走る。
まず、植物屋さんの たかしまえんへ。
キッチンカーが来ていた。揚げピザ屋さんだった。ごはんさんは揚げピザ2種類を、私にハッシュポテトを買ってくれた。そして、いつものバナナスムージーも。
オーナーさんたちとお話をする。
誠実な話。みなそれぞれ 自分の意見をしっかりと話す。分かりやすい。握手をして きもちよく玄関を出る。
揚げたてのハッシュポテトを はふはふ食べながら車は進む。
到着した先で人に会う。お話する。
今日も ごはんさんは はっきりと自分の意見を言う。私は素朴な疑問を投げかける。
そして、次の場所へ。さらに遠くへ。
東峰村に着いた。
美しい場所。空気がきれい。澄んでいる。
薪ストーブ。金魚とメダカたち。器。素敵な空間だった。
ごはんさんに熱いコーヒーを出してくれた。私はお水をいただく。まろやかで美味しいお水だった。
Nさんから優しくうれしい言葉がこぼれてくる。
「そう言ってもらえてうれしい。ね。」と、ごはんさんが言った。
「うん、すごくうれしい。」と、私。
いろいろ案内してくれた。いろいろなお話をした。真摯な仕事ぶりが垣間見える。
「火の神様がいるんですよ。」と、Nさんが言った。
そして、メノウの火打石をカチッと鳴らした。パッと明るく小さな火が生まれた。
Nさんが火打石を ごはんさんに手渡した。ごはんさんもカチッと鳴らした。小さな火が生まれた。そして、私に手渡してくれた。私はマッチも擦れないし、ライターも点けれない。ドキドキしながらカチッと鳴らした。とても小さな火の赤ちゃんが生まれた。うれしかった。
火の神様を感じた。こもれびの森もそうだ。火の神様、土の神様、水の神様、風の神様を感じる。みんながいる場所どこにもいろいろな神様がいるんだろう。気がついたり気がつかなかったりしながら。
とても楽しい時間だった。
帰り道、雲がずいぶん降りてきていた。山に雲のかんむりがいくつもできていた。
きれいだった。
ときどき、出来事を、映画を観ているように感じることがある。または小説を読んでいるような…。
帰路に着く。
いつものお店でお買い物をする。
帰り着くともう真っ暗だった。空は一面の墨色。雨が ぽたぽた落ちてくる。
明日は遠賀町60周年の式典がある。これから着物の長襦袢に襟をつけよう。白地に白いお花の刺繍の襟。おしべが銀色の糸で施されている。
出かけていたカカオが帰ってきた。
夜のぜんぶに「おやすみ。」と言う。
今日もいい一日だった。
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