![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/115599096/rectangle_large_type_2_4988eb8fd176aa984e85b92e9a0419b3.jpeg?width=1200)
助手席に乗って
9月6日(水)のこと。
朝起きてウーちゃんとルーちゃんにエサをあげて水を換える。そのあと お水をコップ 1杯飲んで庭仕事。カカオがついてきた。枯れた草を取っているとカカオが ベッタリとくっついてくる。移動するとついてきて、また ベッタリ。
お隣の きゅうりさんが通りかかる。
「みるちゃん、朝からがんばりよんね。ぼつぼつね。」と声をかけてくれた。
「は〜い。」と私。
「クローバーって枯れるんやろか?」と、きゅうりさんが言った。
「う〜ん。どうかな、枯れては新しい芽がでる。の繰り返しじゃないかな。」と私。
花火を買いに行く。あった。でも、なんか「ロケット」とか、「手で持たない」とか書いている。ちょっとコワイ。私は線香花火みたいなのがよかった。ぐるぐる回って探すと「なごみの線香花火」と書かれている花火セットをみつけた。
「こ、これだ!」と、トキメキながらその花火を手に取った。その横に、小さなブリキの入れ物に入ったピンク色のキャンドルをみつけた。「虫除けキャンドル」と書いてある。可愛いキャンドルで虫除けもできるなんて素敵だ。カゴに入れる。
家に帰り、絵本のラフを描いていると電話が鳴った。ぷりんさんからだ。電話に出ると、
「みるさん、時間ありますか?」と、ぷりんさんの声。
「どうしたの?」と私。
話を聞くと、チャイさんが県外に出張しているということ。3週間後に帰ってくるらしい。買い物に行きたいけれど免許を取ったばかりで一人では不安。いっしょに行ってほしい。ということだった。「もちろんいいよ。」と返事をした。
ぷりんさんのお家に てくてく歩いていく。ふたりでチャイさんの大きな車に乗り込む。私は助手席。ぷりんさんがシートベルトを閉めてフーッと大きく息を吐く。そして、こちらを向いて
「みるさん、音楽好き?」と言った。
「うん、好きだよ。」と答えると、ぷりんさんが笑顔になって、
「最近、日本の曲が好き。」と言ってスマホを操作した。
♪Your are always gonna be my love ♪♪
と流れてきた。
「宇多田ヒカルさん好きなの?」と聞くと、
「一番好き。チャイも。」と笑顔になった。そして、
「しゅっぱーつ!!」と、ふたりで大きな声で言った。
慎重に運転する ぷりんさん。
「パーキング苦手。でも、誰かが横に乗ってくれてたら大丈夫って思える。」と、ぷりんさんが言った。その気持ち、ものすごく分かる。
東京で暮らしていた頃、車の免許を取った。でも東京で運転することはなかった。福岡に引っ越してくると、ここは車が必要な地域だった。修一郎は免許を持っていない。修一郎の両親は高齢だ。私だけ車を運転することができる。でも、実際に乗ったことは無かった。なので、引っ越してきてすぐ実家に帰り、1週間 父に助手席に乗ってもらって運転の練習をした。そして、福岡に戻った。
無事に大型スーパーマーケットに到着した。あとは駐車場に車を入れるだけだ。入り口から遠い はじっこに停めることにした。何度も挑戦して無事に駐車できた。「やったー!」とふたりで抱きあった。
ぷりんさんが果物や野菜をカゴに入れてゆく。ジュースもたくさん入れた。私にソルティライチを買ってくれた。
10月のバーベキューの話をする。
「チャイといっしょに参加する!」と、とても喜んでくれた。よかった。
家に帰りつき、ラフの続きに戻る。
夕方、お花たちに水をあげようと庭に出ると、ごはんさんが帰っていた。バーベキューの話をする。花火と虫除けキャンドルも見せた。
「これ、花火に火をつける種火にもなりますよ。」と ごはんさんが言った。
なんて素敵なんだろうと思った。可愛くて、虫除けになって、種火にもなる…。きゅん。
そして、ごはんさんのバーベキューコンロも「もちろん。」と言って出してくれることになった。
9月になったので、以前もらった でんでんむしの植木鉢に、多肉植物を植え替えることができるようになった。どの桃美人をもらうか吟味していると、レモンさんがワンちゃんのお散歩で通りかかった。
「雨が降ったからクローバーの緑色が濃くなったね。」と言ってくれた。そして、
「冬になったら枯れるやろか?」と言った。朝のデジャヴのようだ。
あれこれ迷いながら、小さめの桃美人ふたつを選んだ。植え替えの仕方を教えてもらう。近いうちに植え替えよう。
水をあげたあと、シャワーホースを元に戻していると、バナナさんのお兄さんパジャマさんが通りかかった。
「パジャマさん、私、ホース買ったんです。」と自慢した。
家に戻ると、修一郎が起きてきた。夕食の仕上げをする。私は あまりおなかが空いていなかったので焼き芋とミルクにした。
後片付けをして絵本のラフに戻る。
夜、庭に出る。涼しくてきもちがいい。少し星が見える。家の灯りに ほっとする。
明日、また ごはんさんが木を運んでくれることになっている。毎日お世話になっている。木が思っていたより たくさんあったなぁと思う。
今日もいい一日だった。