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タイムカプセルみたい
2月13日(木)
朝、目が覚める。
たっぷり眠った。
小鳥の歌声が聞こえてくる。
とても楽しそうに歌っている。可愛い。
幸せなきもちになる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに
「おはよう!」と、あいさつをする。
水槽を覗き込んんでウーちゃんとルーちゃんに
「おはよ」と あいさつをする。
椅子に座ってしばらくみつめる。
ふにゃふにゃ泳いでいる。可愛いね。きゅん。
修一郎の食事をお弁当仕立てにして
ふたつ作っておく。
午後、ごはんさんと話す。
ごはんさんにとてもいいことがあった。
とてもうれしそうで、私もとてもとても
うれしくなって拍手した。
天使たちがラッパを吹きながら
私たちのまわりをくるくる回っていた。
病院へ行く。
ずいぶん前に一度だけ来たことがある。
かなり久しぶりだった。
受付をする段階から、
することなすこと へなちょこだったので、
そのたび「でへへ」と笑ってごまかしていたら
受付の人がどんどん笑顔になって
どんどん優しくなっていった。
天使だっ。と思った。
体重の少なさと血圧の低さに看護師さんたちが
慈悲深い眼差しで見てくれる。
「大丈夫?」
と優しく言ってくれる。
何が大丈夫なんだろう。と思いつつ、
すごく優しくされて照れてしまい
「大丈夫です。朝、眠いです。」と答えた。
天使がいっぱいいる。
「14年前に一度来ていますね。」
と、カルテを見ながら先生が言った。そして、
「これ、取りに来てなかったようなので。」
と言って、14年前の血液検査の結果を
手渡してくれた。
なんだかタイムカプセルから取り出して
手渡してくれたきぶんだ。
「もういらないと思うけど。」
と、先生が小声で はにかんでおっしゃった。
「思い出に持って帰ります。」
と、私。
ますますタイムカプセルだ。
先生は体重の少なさと血圧の低さが
気になってしょうがないようだった。
「体重、少ないけどどうしたんですか?」
と、先生。
どうしたもこうしたもない。
ずっとこうだ。
なんて答えていいか分からず黙っていると、
「急激に減った?」
と、先生。
あ。病気で急激に減った可能性を
心配してくれているんだ。
「ずっとこうです。血圧もずっと低いです。
でも問題ないです。朝、眠いだけです。」
と答えると安心してくれた。
体がうすいのでお布団をかぶって
仰向けにじっと寝ていると
まさか人が寝ているとは思わず、
「布団が敷いてある」と、思われることがある。
患者さんがとても少なかったので
のんびりのどかに優しく時間が過ぎていった。
家に帰る。
お散歩に行く。
風は吹いているが明るくて きもちがいい日だ。
自然に歌をうたってしまう。
池で鴨たちが ひなたぼっこしている。
きもちよさそうだ。
のどかな光景を うっとりと眺める。
TAKEさんがお庭に出ていた。
「みるちゃん、背伸びたんやない!?」
と、TAKEさん。
そんなことない。
「縮んでも伸びることないですよ。」
と、私。
ちょっとおしゃべり。
境道をてくてく上る。
葉っぱ一枚ない桜が芽吹いている。
小さくて ぎゅっと固い芽の中で
こつこつと春の準備をしているんだなぁ。
じーんとする。
家に帰り着く。
少し庭仕事をする。
絵本の作画をする。
両親と電話で話す。
夜、庭に出る。
星がぴかぴか瞬いていた。
大好きな光景。楽しいきもちで眺める。
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
これから眠くなるまで絵本の作画をしよう。
今日もいい一日だった。