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久しぶりにバイクに乗せてもらった

9月7日(土)
朝、ぱちりと目が覚める。私にしては早起きできた。すっきり。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。

ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。
水を換える。

今日は こもれびの森に行く日。
修一郎の食事をお弁当仕立てにして用意しておく。

そして!今日は久しぶりに ごはんさんのバイクの後ろに乗せてもらう。楽しみだ。わくわくする。

まずは、いつもの天ぷら屋さんへ しゅっぱーつ!キュルルルル…

早めに行ったので空いていた。ネパールのCさんがいた。テーブル席を勧めてくれた。

「おいしいね。」
「うん、本当においしいね。」
「揚げたて最高だね。」
「幸せだね。」

と、ふたりで何回も言いながら食べる。
私は 白ご飯は食べず、椎茸、アスパラ、さつまいも、エリンギ、蓮根を1個ずついただいた。お塩をパラパラふりかけて。

おなかいっぱいになった。
大満足で こもれびの森へ しゅっぱーつ!ブロロロロ…

風がきもちいい。走っているときは涼しい。
緑がすごくきれい。稲刈りが始まった田んぼがきれい。空がきれい。山が、川が、鳥が、ぜんぶが美しかった。

肌で景色を感じているみたい。

「何もいらない」と、思えるほどの解放感。楽しいなぁ。

運転しているともっとそうなんだろうなぁ。でも、後ろに乗せてもらうので大満足。むしろその方がいい。

ネパールでバイクの後ろに乗せてもらったときは、落っこちないようにしがみついているのに必死だったので、景色を見る余裕も解放感を感じることもなかった。別の面白さがたっぷりあったけれど。

こもれびの森に到着。
外仕事と中仕事をする。少しずつ少しずつ用事を完了させてゆく。木陰に入るとずいぶん涼しくなったと感じる。力仕事をしている ごはんさんは汗だくだけど。

お客さまがみえた。
いろいろお話をする。ちょっとしたお誘いがあったけれど、すぐに「無理です。」とはっきり断った。ちょっとびっくりした顔をされてもう一度誘われたけれど、「無理です。」と、即答した。したくないことはしたくないのだ。

したくなくても した方がいいことは 楽しみを見つけながらずっとしてきている。それでいいのだ。

夕方の音楽が流れた。今日の作業は終わりにして帰路に着く。

道中、稲が ぺたんと寝ているところがあった。

「あれ!」と、ごはんさんがバイクを運転しながら言った。

「ミステリーサークル!」と、私。

その隣に広いひまわり畑があった。

「ひまわり!」と、同時に叫んだ。

小さな ひまわりたちがとても可愛くて夏が終わることを惜しんでいるようだった。

「今日、空気が白っぽいね。花粉かなぁ。」と、ごはんさん。

「うん、そうかもしれない。」と、私。

「だからか最近、真夜中過ぎでも星あんまり見えないよ。」と、ごはんさんが言った。

こうやってバイクに乗りながら 、「え?」と聞き返しつつも ときどき喋れるのだが、ネパールではそうはいかなかった。

インド製ホンダの ”家族5人と山羊を乗せても大丈夫” という頑丈なバイクの大きな音。交通ルールも車線もない道路でのクラクション、轟音、ネパリーミュージック。ボコボコの道、寝そべる牛を避けながら走った。

そんな中、おしゃべり大好きなネパールの友人たちが英語で話しかけてくる。ただでさえ英語が苦手な私なのだ。全く聞き取れない。

何度も "What did you say!?" と叫ぶのに何度でも喋りかけてくれる。目的地に到着したときはクタクタになっていた。

いつものお店に寄る。
大きくて真っ赤な夕日が沈んでゆくところだった。空は薔薇色に染まっている。今日も ふたりで空を褒めちぎる。

家に帰り着く。

「三日月。」と、ごはんさんが言った。

オレンジ色の華奢な月が輝いていた。漆黒の空に映えて美しい。うっとり眺める。

領収書の整理をする。

夜、庭に出る。
ぽつりぽつりと星が煌めいていた。うっすらとカシオペア座が見えた。あの近くにアンドロメダ銀河があるんだなぁ。と、思いを馳せる。夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

今日もいい一日だった。

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