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ついに!
12月24日(火)
朝、目が覚める。
アラームがすべて止められていた。
親切な小人さんたちが
ぜんぶ止めてくれたんだろう。
「みるみる、もっとおやすみ。」と。
むくりと起き上がる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに
「おはよう!」と、あいさつをする。
ごはんさんにプレゼントしてもらった
椎茸の原木をどこに置こうかと うろうろする。
小鳥の歌声にうっとり耳を傾ける。
ウーちゃんとルーちゃんに
控えめにエサをあげる。
おでんは昨晩コトコト煮た。
そして、一晩寝かせておいた。
仕事部屋にこもり絵本の作画をする。
もくもく、もくもく。
午後、ごはんさんと話していると電話が鳴った。
知らない電話番号。
「もしもし、さかいみるです。」
と、出てみる。
そおっと話す感じの人だった。
「NTT%&⭐︎@¥…の〇〇です。」
と言った。
NTTしか覚えていない。要件は…
なんと!ついに!わが家の駐車場にある
電柱を抜いてくれることになったのだ。
ぱちぱちぱち(拍手)
ぴーどんどんどん(笛と太鼓)
パカッ(くす玉)
「うれしいっ!とってもうれしいです!
やったー!」
と、私。
「駐車場にあって邪魔だったでしょう〜。
すいませ〜ん。」
と担当の方。
「駐車するの苦手だから
ちょっと不便でした〜。」
と私。
今週の木曜日か金曜日に
撤去に来てくれるということだった。
電話を切ったあと、ごはんさんに話す。
「よかったね!」
と言ってくれた。
数日前、ちょうど ごはんさんが
「電柱撤去に来ないね。」
と言った。
ごはんさんは、私が電柱を避けながら
ヨロヨロと車を駐車しているのを知っていた。
後ろに背の高いブロックを並べていたので
電柱を気にしながら停めていて
コツンとブロックに当たったこともある。
ごはんさんがブロックをぜんぶ
安全な場所に移動させてくれた。
そのとき、
「電柱撤去に来なかったら、
オレが切り倒そうか?」
と、ごはんさんが言った。
ごはんさんなら まちがいなく
電柱を切り倒すだろう。
「ん。もうちょっと待ってみるよ。」
と、本気の ごはんさんの顔を見ながら言った。
電柱の上を見てみると、いつの間にか
わが家にだけ延びていた電線は
大きな電柱から直接引っ張られていた。
すっかり忘れていたが
今日はクリスマスイブだ。
電柱撤去、クリスマスプレゼントみたいだ。
両親と電話で話す。
父のスマートフォンが壊れて
新しい機種を買ったということ。
父がスマホデビューをしたのは4年くらい前。
元々、機械やコンピューターの操作が
得意だった父は、メキメキ
スマートフォンを使いこなすようになった。
70代後半ですごいなぁと思う。
母がしてくれたおもしろい話でゲラゲラ笑う。
いま思い出しても笑える。
郵便局へ行く。
家に帰りつき、
さつまいもを3本オーブンに入れる。
焼き芋にするのだ。
甘い香り。
焼けた。2本をアルミホイルに包んで
Yさんのところへ持って行く。
Yさんは焼き芋が大好き。
1本は私の分。
てくてく歩いていると、
ちょうどYさんがお友だちと歩いてきた。
「ちょうどよかった。はい、焼き芋。
焼きたてほかほかですよ。」
と言って、手渡す。
ものすごくうれしそうなYさんが
素手だったので
「熱いですよ。」
と言う。
「手が冷たいから温かくていい。」
と言って、にこにこしている。
お友だちも にこにこしている。
これからふたりで食べるんだろう。
いいタイミングだった。
そのままお散歩に行く。
小鳥たちが楽しそうに歌っている。
本当に可愛いな。
風が冷たい。
マフラーを顔の半分まで ぐるぐる巻く。
新鮮な空気で満たされて
もっと健康になった気がする。
家に帰り着く。
オーブンの中にしまっておいた
焼き芋を もぐもぐ食べる。おいしい。
ミルクをごくごく飲む。おいしい。
なんか、幸せだ。
絵本の作画をする。
もくもく、もくもく。
夜、庭に出る。
カシオペア座が煌めいている。きれいだな。
小さな星、大きな星、みんなきれい。
イルミネーションもきれい。
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
これから眠くなるまで絵本の作画をしよう。
今日もいい一日だった。