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大きな口笛を吹いたら

1月19日(日)
朝、ぱちりと早く目が覚める。
小鳥の小さな歌声が聞こえてくる。
うっとり。

むくりと起き上がる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに
「おはよう!」と あいさつをする。

タニクちゃんたちにお水をあげる。
桃美人が ふっくらとした
白でくるまれた緑色の葉で
とても可愛らしい。

クローバー畑にジョウビタキが
遊びに来ている。

ミニりんごの木のまわりでは
ヒヨドリが遊んでいる。
可愛くて幸せな きもちになる。

ウーちゃんとルーちゃんに
「おはよう。」と あいさつをする。
ルーちゃんが びゅうっと泳いだ。
かっこいい。

修一郎の食事をお弁当仕立てにして
ふたつ作っておく。

午後、ごはんさんと こもれびの森へ
しゅっぱーつ!

途中で食事をして用事を済ませる。

川沿いを走る。
カモたちが ぷかぷか浮かんでいる。
可愛い。
あっ、頭から ぴょんと潜った!
すごい。

白鷺もやってきた。
川面がキラキラ輝いている。
トンビとカラスが仲よさそうに並んでいる。
平和な光景にとろける。

こもれびの森に到着。

大きな紅いサザンカが
こぼれるように咲いている。
たくさんのメジロが
サザンカの蜜を楽しんでいる。

甘い香りに包まれた
透明な黄色の蝋梅も満開だ。

メジロがすぐ近くの枝に留まった。
可愛い可愛い可愛い!
と、20回くらい言った。と思う。

「こもれびの森は鳥の楽園みたいだね。」

と、話す。

建物の中で用事をしていると、
ごはんさんが

「みるさん!」と呼んだ。

急いで出てみる。

「さっき、大きな猛禽類が4羽
 優雅に空を旋回してた。」
と、ごはんさんが言った。

「見たかった!」
と、私。

「見せたかった!」
と、ごはんさん。

ごはんさんが、とても大きな口笛を
吹きはじめた。

すると、
ヒュンヒュンヒュンヒュン・・・
と、音がした。

なんと、立派な鷹が 2羽飛んできて
私たちのすぐ上を通り過ぎた。

ものすごくびっくりした。

「いまの鷹だったね!」
と、ふたりで顔を見あわせる。

「まちがいない。あのサイズ、色、首や足、
 鷹だった。」
と、ふたりで確かめあう。

ごはんさんの口笛でやってきたのだろうか。
偶然だったのだろうか。

また、ごはんさんが大きな口笛を吹いた。

ヒュンヒュンヒュンヒュン・・・
と、音がした。

前方の森からすごく大きな猛禽類が翼を広げて
飛んできた。
あのサイズは鷲だろう。
またびっくりした。
偶然じゃない。

そのあとも、ごはんさんが口笛を吹くたびに
あの、ヒュンヒュンヒュンヒュン・・・という
翼の音がして猛禽類が飛んできた。

ごはんさんは猛禽類使いなのだろうか…。
ともかくびっくりした。
そして猛禽類の美しさに圧倒された。

この一年、ごはんさんは特にそして私も
怒涛の日々を送ってきた。
こもれびの森で様々なことに直面してきた。
励ましあい協力しあい乗り越えてきた。
そんな中、豊かな自然に包まれて
ほっとする時間は宝物だった。

果てしなく思える海の上で次々と波が押し寄せ
小さなボートでそれを乗り切っている。
という感じだった。

目の前に現れた波を乗り越えるのに夢中だった。
ときどき海は凪、つかのまの休息を得る。

この海は果てしなく続くのだろうか?
まだ陸地は見えない。
大地に降り立つときが来るのだろうか?
大団円への旅だった。と、なるのだろうか。

きっと「何はともあれよかったね。」と、
旅の終わりに笑いあえる日が来るはずだ。

用事を済ませて帰路に着く。

夕方の空は今日も一面雲が覆っていた。
アトラス彗星を見に行くのはやめて
夕ご飯を食べて帰ることにする。

ほのぼのしながら食べ終え帰り着くと、
夜空にオリオン座が ぴかぴか輝いていた。
あぁ、なんてきれいなんだろう。

星たちに手を振って
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

今日もいい一日だった。

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