家族みたいだね
11月12日(日)
ゔっ…。重い…。カカオがおなかの上で むぎゅむぎゅしている。寝返りをうってカカオを ごろんとおなかから毛布の上へ落とす。そして至福の二度寝。
二度寝から目覚める。カカオはまだ寝ていたいようだ。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげて水を換える。
仕事をする。集中。
お昼頃、修一郎が起きてきた。食事を用意する。
仕事をする。
友人Rさんからメールが来た。
Rさんとはシンクロがすごく起こる。私の方にではなくて、Rさんにシンクロがすごく起こるのだ。そのたび、びっくりして笑ってしまう。
今日のメールには
「みるさんの好きなもの二つが合体したような生物のリール動画がありましたので、リンク先を送ります。」と書かれていた。偶然見つけられたようだ。
なんだろうと思ってクリックして見てみると、キャノンボールジェリーというクラゲが、ゆらゆら ぷかぷか 泳いでいた。その愛らしい姿がなんと、椎茸そっくりだった。大笑いした。
確かに、私の好きなクラゲと椎茸が合体したような生物だ。いまもう一度見て、また笑った。可愛すぎる。面白いなぁ〜。
仕事をする。
早めに具沢山野菜と豆のスープを作る。修一郎の夜食になる予定。
今日、またまた ごはんさんとバーベキューをする。
修一郎は
「わぁ〜、寒いのにご苦労さんだねぇ、私は家の中がいい。」ということ。
先日収穫した椎茸をバーベキューで食べてみたかった。
そして、私は前回のバーベキューのあと、あるものを買ったのでそれも使ってみたかった。それは、バーベキュー用の小さなフライパンだった。
私の分は毎回、アルミホイルの深皿にオリーブオイルを入れて焼いていた。それも素敵だったのだが、小さなフライパンで焼くのも素敵だろうと想像したのだ。
さらに!今日は焼きりんごも作ってみようと思っている。ときめく。
早めの夕方、ごはんさんと買い物に行くことにしていた。
出かける前、ごはんさんの庭にいると、お父さんと小さな女の子が手をつないで歩いてくるのが見えた。知らない人だった。
道からクローバー畑のクローバーを触りながら、「四葉があるかなぁ。」「あぁ、三つ葉だったねぇ。」と言っていた。
近づくと、女の子が手に持っている恐竜の小さなぬいぐるみを見せてくれた。可愛い。
「奥まで入って四つ葉のクローバー探していいですよ。」と言った。
「いいんですか?」と言って、ふたりは笑顔でクローバー畑に入っていった。
こういう光景を見るの大好き。
ごはんさんが出てきたので、車に乗りこみ買いだしに しゅっぱーつ!
いつものように、いろいろな食材をカゴに入れてゆく。
あれこれ買って家に戻り、バーベキューの準備をする。
ごはんさんがコンロやテーブルや椅子を組み立てて火をおこしている間に、私は家に戻り野菜を切ったり、下準備をする。
うす切りにして塩水につけておいた りんごとバターと黒砂糖も小さなトレイに入れる。
オリーブオイルと岩塩も持って、わが家とごはんさんの庭を何度か往復する。隣なので楽ちんだ。
「暖かいね〜。きもちいいね〜。」と言いながら、火に手をかざし食材を乗せてゆく。
私はミニフライパンにオリーブオイルを入れて、椎茸や蓮根やカリフラワーを入れる。そして、ゴリゴリっとミルを回して岩塩をかける。
椅子があるのだけど、いつもふたりとも立ったまま食べる。外で立ったまま食べるのって楽しい。そして、空を眺めながら食べるのは、とびきりおいしい。
「雲がほとんど止まってますね。」と、ごはんさん。
見あげると、厚みのある濃いグレーの雲はほとんど動いていなかった。
「風が吹いていないんだね。」と、私。
「濃いグレーの雲のはじっこがオレンジ色になってる。空の色とのコントラストもきれいですよね。」と、お酒を飲みながら ごはんさんが言った。
「うん、こういう空もいいよね。」と、お水を飲みながら私が言う。
寒い日だったけれど、炎と熱々の食材でちっとも寒くなかった。ぽかぽかしていた。そして、たくさん食べた。
私は普段少食で、「おなかが空く」ということがほとんどない。なので、ひとりでもくもくと仕事をしていると食事をするのを忘れてしまう。
159cmで38kg。目指せ40kg。今日のバーベキューで39kgになったかもしれない。
最後に食べた焼きりんごは格別だった。昨日収穫したわが家のりんごも入れた。やわらかく甘ずっぱく濃厚になった。とろける焼きりんご。
「みるさん、たくさん食べれましたね。よかった。」と、ごはんさんが言ってくれた。
ごはんさんは、いつも私と修一郎のことを気にかけてくれる。
私が実家に帰省するとき、ウーちゃんとルーちゃんの水換えのことであれこれ考えていた。修一郎には難しいと思った。
なので、外部式の強力な濾過器を設置するか、お風呂の浴槽に水を満タンにして、そこにたっぷりの水草といっしょにウーちゃんとルーちゃんを入れて帰ろうか、などと考えていた。
するとある日、ごはんさんが
「みるさんが帰省する間、オレが水換えましょうか。」と言ってくれたのだ。
さらに、
「もし必要だったら、境さんの食べれる助六とか買って渡しますよ。」とも言ってくれた。
すごくびっくりした。
毎年帰省するときは、アレルギーがある修一郎に、1週間分の食事を作って冷凍しておく。もちろん、来年帰省するときもそうするが、ごはんさんの きもちが とてもありがたかったし心強かった。
そのことを修一郎に話すと感激していた。そして、
「家族みたいだね。」と言った。
でも、修一郎は時間を人にあわせるのが難しい。自然に起きないと体調を崩すから「誰かがみえる。自分で起きなくてはいけない。」というのが、とてもプレッシャーになるのだ。
なので、自分のペースでやりくりするのだけれど、私も本当に感激してありがたいきもちでいっぱいになった。
たっぷり食べて、おなかもこころも ぽかぽかになった。
残りの火に手をかざす。まだ暖かい。
炭を燃やしたときの火って本当にやわらかい暖かさだ。そして、なんとも言えず美しい。炭の内側から光を放っている。消えてゆくのが名残惜しい。
バーベキューって、最初から最後まで楽しいな。
また、しよう。冬になってもしよう。と話す。
片付けて、家に戻る。
玄関の前で、空を見あげた。
ものすごく美しい星空だった。吸いこまれそうだった。たくさんたくさんの星が煌めいていた。大きな灯りの飛行機が一機とんでゆく。
中に入った ごはんさんを呼びに行こうかと思ったけれど、明日は早朝に家を出ると聞いていたので呼び戻すのはやめた。
しばらく空を眺めていた。幸せだ。
自分の中が星空になるくらい たっぷり眺めて家に入る。
修一郎にバーベキューが楽しかったと話す。「よかったね。」と言ってくれた。
夜、また庭に出る。
雲が多くなり夜空は地図のようになっている。星は少し。でも、バーベキューが終わったあとに見た、あの星たちが雲の上で輝いている。そう思うとうれしくなった。夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
カカオは夜の中に溶け込んでいった。
これから夜中まで仕事をしよう。
また夜中か明け方に帰ってきたカカオが私のおなかの上で まるくなるんだろうか。
今日もいい一日だった。