いちごとラ・フランス
12月19日(木)
朝、目が覚める。
至福の二度寝。
もう一度目が覚める。
むくりと起き上がる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに
「おはよう!」と あいさつをする。
雨が降っていたんだな。
小鳥の歌声が聞こえてくる。
うっとりと耳を傾ける。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。
水を換える。
修一郎の食事をお弁当仕立てにして
ふたつ作っておく。
ピンポーン。
チャイムが鳴った。
「は〜い!」と言いながら玄関へ行くと
郵便局の方が保冷箱を持って立っていた。
「いちごですよ!」
と、局員さん。
「え!いちご!?」
と、私。
「いや、ラ・フランスかな。」
と、局員さん。
「あ、いちごのシール貼ってある。」
と、私。そして、
「いちごでもラ・フランスでも
どっちでもうれしい!」
と言うと、局員さんが あははと笑った。
箱を受け取り、うやうやしく開けてみる。
なんと、いちごとラフランス両方入っていた。
わーい。
M理事長からだった。
いちごを ひとつ食べてみる。
おいし〜い。
絵本の作画をする。
せっせ、せっせ。
絵本の作画をするときは、
ワトソンという手触り感のある
厚口の中性紙を使う。
鉛筆で下描きをして、ラインはコピックの
マルチライナーのセピア色で重ね描きをする。
そして、アクリルガッシュで色をつけてゆく。
絵本は描く枚数が多い。
ページによって色や雰囲気が変わらないように、
最初に野原の緑色をぜんぶ塗ってゆく。
仕事部屋にこもる。
こつこつ、こつこつ。
こつこつ、こつこつ…
夕方起きてきた修一郎が
「ウェットティッシュ買ってきて。」
と言った。
お仕事から帰ってきた ごはんさんと
お買い物へ しゅっぱーつ!
まずいつものお店へ行く。
ウェットティッシュの種類が
たくさんあってびっくりする。
お買い物を済ませ、
遠賀川駅のイルミネーションを
見て帰ろうということになる。
駅前のロータリーを くるりと回る。
駅も駐車場も光があふれていて
とてもきれいだった。
キラキラしてカラフルで
光が滝のように流れていたり
ツリーみたいなイルミネーションもあった。
「あの後ろ姿、おんがっぴーだね。」
と、ごはんさんが言った。
「うんうん、おんがっぴーだ。」
と言いながら、おんがっぴーの前を通る。
ちょっと顔が見えにくかったが可愛い。
満足して帰路に着く。
家に帰りつき、
今日届いた いちごを食べてみる。
ヘタをとって半分に切る。
大好きな桃型茶碗に盛る。
新鮮で果肉がしっかりしていておいしかった。
ホットミルクを飲む。
いちごとミルクって、
さつまいもとミルクと同じくらい
素晴らしい組み合わせだ。
明日、いよいよケーキ屋さんのホールケーキの
生クリームといちごを食べるんだ。
と思い、ドキドキした。
夜、庭に出る。
はっとした。
とてもとてもきれいな星空だった。
カシオペア座に、星団に、オリオン座。
いつもなら見えないような小さな星たちも
たくさん煌めいていた。
胸が高鳴る。大好き。
きりりと透明な空気。
息が白い。
鼻の先も指の先も冷たい。
お部屋からこの星空を眺めることができたなら
何時間でも眺めていそうだ。
と思いながら、寒いので中に入ることにする。
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
これから眠くなるまで絵本の作画をしよう。
今日もいい一日だった。