夢が叶うということ
10月10日(木)
朝、とても早く ぱちりと目が覚める。むくりと起き上がる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
青い空に白い雲が ぷかぷか浮かんできれい。
早起き出来たことがうれしくて、顔も洗わずお散歩に行く。お散歩って楽しいなぁ。大好きだ。
Tさんのお庭の千日紅が、光をたっぷり浴びてキラキラ輝いている。
坂道を てくてく上り、てっぺんでいつものように ずっと川だと思っていた池を眺める。
タヌキが植え込みからこっちを見ている。可愛い。「こんにちは。」と、あいさつをする。ぴょこぴょこ植え込みの中に入って行った。
家に帰り着く。
裏庭のグミの木の葉っぱにセミの抜け殻が3段重ねでくっついていた。おもしろくて じっとみつめる。写真を撮ろうと思って忘れていた。明日撮ろう。覚えていたら。
枇杷の葉っぱに小さな蜂の巣があった。中には誰もいない。ぷちっと外す。とてもきれいな造形だ。
いい香りがする。
金木犀だ。小さな小さな橙色の つぼみが付いている。可愛い。
バナナさんが勝手口から出てきた。おしゃべりをする。
柿の葉っぱが掃いても掃いても落ちるので、お休みの日は ずっと柿の葉っぱを掃いているらしい。そして、今年はまったく実がならなかったということ。
「そういう年ってあるよね。来年はどっさりなるよ。」と、話す。
去年は たっぷりの実をつけていた。
お猿さんがちぎって、どういうわけか わが家の裏庭で食べていた。今年は食べれなくて残念だっただろう。
家に入りウーちゃんとルーちゃんの水を換える。
昨日アカムシを たらふく食べているので今日はあげないことにする。
絵本のラフを描く。集中。
はかどった。集中するのって楽しい。
修一郎の食事をお弁当仕立てにして ふたつ作っておく。
さつまいもを輪切りにしてオリーブオイルでこんがり焼く。カリッ。ほくほく。おいしい〜。
夕方、シエンタを掃除していると、ごはんさんがお仕事から帰ってきた。
「今日も栗拾い行こう!」ということになる。
にりんさんがアランくんと通りかかる。
「昨日、栗ありがとう。」と、にりんさん。
「こもれびの森のだから。」と、私。
「バッフバッフ」と、アランくん。
シエンタに乗って、こもれびの森へ しゅっぱーつ!
運転に慣れてきた。乗りやすい。安定感がある。シフトレバーに戸惑うけれど、そのうち慣れるだろう。ごはんさんが目を光らせている。教官のようだ。
こもれびの森に到着。
今日は栗があまり落ちていなかった。それでも大きくて まるまるしたのが何個かあった。もうそろそろ終わりなのかもしれない。毎日のようにたくさん拾えてうれしかった。そして、とても楽しかった。
食事をする。
月曜日にも行ったお店。今日も
「おいしいね。」
「本当においしいね。」と、何度も言いながら食べた。
私が運転しているので、ごはんさんは生ビールを注文した。おいしそうに ごくごく飲んでいる。泡のおヒゲは出来なかった。
家に帰り着く。
ネパールのクリシュナさんからメッセージが来た。
メチャくん絵本の翻訳のことと、モリンガの木の葉を収穫して乾燥させているということ。クリシュナさんは栄養満点のモリンガに夢中なのだ。
以前、トッツィーが
「みるの夢が叶ったね。」と言ったことがある。
なんのことだろう。と、きょとんとしていると、トッツィーが話しはじめた。
「南青山の事務所で仕事してたとき、たくさんの人が出入りして華やかな世界だった。私が『みるの夢は何?』って聞いたら、『発展途上国の子供たちに文房具を届けに行くこと』って言ったんだよね。それ聞いたとき、素敵だけど地味な夢だなぁって思ったの。そしたら、その夢が叶ったじゃない。しかも、文房具だけじゃなくて自分が描いた絵本を届けてる。」
目の前が ぱっと明るくなった。
そうだ、そうだった。すっかり忘れていた。私の夢だったこと。夢のことをすっかり忘れて目の前にやってきたことを夢中でしていただけだ。
気がついたら、というかこの場合、思い出させてもらったら、いつの間にか夢が叶っていたんだ。夢って案外そういうものかもしれない。こつこつ進んで振り返ってみたとき、いつの間にか叶っていたこと。と、そのとき思った。
土台には、絵本を買うことができない経済状態や書店の無さなど寂しい現実があるけれど、あの子供たちの笑顔を見ると素直にうれしい。と思える。
ふと、ネパールのみんなどうしているかなぁと思った。親密で親切で笑顔がとびきり素敵な人たち。
いまの夢は毎日こつこつ暮らしてゆくことだ。毎日叶っている。
夜、庭に出る。
星たちがキラキラ輝いている。きれい。うっとり眺める。こんなにきれいな星を見ることができて幸せだな。
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
今日もいい一日だった。
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