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この瞬間をプレゼントしてくれたみたい

1月25日(土)
朝、目が覚める。
むくりと起き上がる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに
「おはよう!」と あいさつをする。

青い空に羊さんみたいな白い雲が
ぷかぷか浮かんでいる。可愛い。

ウーちゃんとルーちゃんに
「おはよ。」と あいさつをする。

今日もルーちゃんは土管に入って
左手を土管の窓から出している。
きゅん。

修一郎の食事をお弁当仕立てにして
ふたつ作っておく。

今日は、ごはんさんにご用事があるので
こもれびの森へは夕方行くことにしている。

絵本の作画をする。

ふと、海に行きたくなった。

長靴を履いて、マフラーを ぐるぐる巻いて
フード付きの おふとんみたいなコートを羽織る。

タオルとお水を持って、ひとりで隣町の
海へ しゅっぱーつ!

途中にあるイタリア料理のお店ジラソーレで
プリンを 3つ購入する。

海はすぐそこだ。
車を走らせる。

見えてきた!
海だー!!
碧い。青と緑を混ぜたみたいな地球色。
白い波しぶき。
胸が躍る。胸が高鳴る。わくわくする。

お気にいりの場所がある。
そこを目指す。

到着。
駐車場に車を停める。
誰もいない。

車から降りる。
冷たい風がゴォゴォ吹いている。
歩くのがやっとだ。
ものすごく寒い。
でも海が とてつもなく美しい。

砂浜を走る。
楽しい。楽しすぎる。
笑ってしまう。ひとりで。

波と追いかけっこをする。
これがものすごく楽しい。
100回くらいしたい。

いつものように膝から下がずぶ濡れになった。
長靴の中もびしょびしょだ。
冷たい。

広い。すごく広い。
きれい。すごくきれい。
ひとり。人間は私だけ。

砂浜を走る。
風を受けキャァキャァ言いながら走る。
楽しい。

しばらく遊んで、ふと顔を上げると
なんと!なんと!
虹が出ていた!!

びっくりした。
すごくきれい。
虹が海から雲に向かって延びている。

しばらく うっとり眺める。
はっとして写真を撮る。ぱちり。

消える寸前で撮れた。

喜びで胸がはちきれそうだった。

空が、海が、地球が、この瞬間を
プレゼントしてくれたみたいだ。

感動して思わず

「ありがとう〜〜!!
 愛してるよ〜〜!!」

と、空と海と地球に叫んだ。
青春映画みたいだ。

大きくて白いカモメが飛んできた。

じゅうぶん満足して帰ることにする。

車に乗り込む前に
長靴を脱いで逆さまにする。
水が ぽたぽた落ちた。
砂を払って車に乗り込む。

車の中でプリンを食べる。
ひとつは
カラメルソースをかけずに食べた。
もうひとつは
カラメルソースをかけて食べた。
どちらもとびきりおいしかった。

海の動画をインスタグラムの
ストーリーズにポストしてみる。

楽しいきもちで海沿いの道を走る。
ぷるんとしたエメラルドグリーンの
巨大なゼリーみたいだ。
表面が たっぷんたっぷんしている。

家に帰り着く。

砂だらけの長靴を外で洗って
玄関でハイソックスを脱ぐ。
ペタペタとお風呂場まで行きシャワーで洗う。

ひえひえだった足がじんわり温まってゆく。
きもちがいい。

絵本の作画をする。

夕方、ごはんさんと こもれびの森へ行く。
その前に、幸せなきもちになる
天ぷら屋さんへ しゅっぱーつ!

天ぷらを ひとくち食べて
ごはんさんがこちらを見て吹き出した。

「今日も ”幸せ” って言おうとしたんだよね。」
と、私。

「そう。」
と、幸せそうに くすくす笑いながら
ごはんさんが言った。

心もおなかも満たされて
真っ暗な中、こもれびの森に到着。

用事を済ませて外に出る。
夜空を見上げると
胸がふるえるほど星がきれいだった。
森のシルエットの上に無数の星たち。

「きれいだね。」
「空気が澄んでいるんだね。」

と、話す。

お買い物をして家に帰り着く。
クローバー畑から見上げた夜空も
星たちがとてもとてもきれいだった。

キラキラ
ぴかぴか
チカチカ
輝いている。

普段見えない小さな星や星団も
透明な輝きを放っていた。
水晶の煌めきのようだ。

しばらく うっとり眺める。

玄関の戸を開ける前に
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

今日もいい一日だった。

誰もいない海!砂浜を走る
波に近づいてゆく
波が来た〜
ざぶーん
遠くに淡く少しだけ見えている虹

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