1点め完成
11月17日(金)
朝起きてカカオにご飯をあげる。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげて水を換える。
昨日買った小ぶりのりんご、シナノスイートを食べる。カリッとしていて甘ずっぱくておいしい。
雨が降っている。
仕事をする。もうすぐ1点めが仕上がる。夢中で作画する。
大きな車が止まる音がした。はっとする。
コープのNさんだ。急いで玄関の引き戸を開ける。
雨が止んでいた。
「今日は寒いですね〜。」と、Nさん。
「ね。寒いですね。」と、私。
荷物を受けとって、冷蔵庫や戸棚に入れてゆく。
仕事に戻る。
バラバラバラっと大きな音がした。あられが降っている。びっくり。
今度はグリーンコープさんの元気カーがやってきた。玄関の引き戸を開けると雨もあられも止んでいた。青空が顔を出している。
買い物かごの中に、空いた牛乳びんと卵のパックを入れて、てくてく歩いてゆく。
はなおさんが両手を大きく振っている。
私も手を振る。
「こんにちは〜!」
今日はUさんが来ていない。お昼寝をしていて気がついていないのかもしれない。予約してある大好きなお刺身が冷蔵庫に入っている。
「声かけてきましょうか?」と、私。
「いや、いいですよ。僕が買うから。」と、はなおさんが笑った。
野菜が入れてあるカゴの中を見る。そこに、なんと、小さなカリフラワーがあった。
「あっ、カリフラワー。」
思わず はなおさんの方を見る。
はなおさんは満面の笑み。
「今日、店に2個だけ入ってきたんですよ。その1個を持ってきたんです。店には1個だけ。」と言って、あははと笑った。
去年の冬、一度だけ「カリフラワーがあったら持ってきてください。」と頼んでいた。でも今日までカリフラワーは一度も入荷しなかった。
その、去年、「カリフラワーが好きなの。」と一度だけ言った その一言を はなおさんは覚えてくれていたのだ。びっくりした。感動した。なんて記憶力がいいんだろう。
でも、わが家には今、立派なカリフラワーがたくさんある。
でも、その小ぶりのカリフラワーをカゴに入れた。すぐ食べちゃう。と思う。
さつまいも14kgをふと思いだした。
家に帰り、食材を冷蔵庫と戸棚にしまう。
修一郎が起きてきた。食事を用意する。
仕事をする。プリントアウトして調整をする。またプリントアウトして調整をする。を繰り返す。
夢中で描いていると、修一郎が
「今日、ご飯なに?」と言った。
没頭していたので一瞬何を聞かれたのか分からなかった。しばらく考えて、
「あっ、まだ決めてなかった。〆切が終わるまで、おかず簡単なものでいい?おやつも焼き芋かパンケーキかどら焼きでいい?」と聞く。
昨日、ごはんさんに買い物に連れて行ってもらったとき、修一郎が食べれるどら焼きを見つけたのだ。
「うん。」と修一郎が言った。ほっ。よかった。
夕食の支度をする。
仕事をする。
夕方、りんごの木の様子を見る。雨が降ったので ぴちぴちしている。
Uさんが道を歩いてきた。
「こんにちは!」と言うと、
「みるちゃん!」と言ってUさんが両手を前に出して小走りで駆けてきた。
どうしたんだろう。と思っていると、
「今朝、みるちゃんとこ行ったんよ。お金持って。そしたら鍵が閉まってたから帰ったんよ。」と、Uさん。
「え。鍵がかかってたなら、私、まだ寝てました。」と、私。
「今日、病院の日やったから、グリーンコープさんに行けんと思ってお刺身と天ぷら買っといてもらおうと思ったんよ。」と、Uさん。
「まぁ、そうだったんですか。」と、私。
「それと、急に人が来たりしたら行けんやろう。私、グリーンコープさんのお刺身と天ぷらが好きなんよ。」と、Uさん。
「次からUさんが来てないとき、お刺身買っときますよ。で、持っていきますよ。お金はあとでいいです。」と言った。
Uさんが満面の笑みになった。そして、
「お刺身と、ごぼ天2つと、まる天2つ。」と言った。
「お刺身と、ごぼ天2つと、まる天2つ。」と、忘れないように私も言った。
ごはんさんの家の前で大きな声で話していたら、ごはんさんが出てきた。
「こんにちは。」とみんなで あいさつしあう。Uさんが
「じゃね。」と言って帰った。
ごはんさんがこれからお買い物に行くので、今日も連れて行ってもらうことにした。
今日は修一郎がお漬物を買ってきてほしいと言っている。そして、私は椎茸と、ウーちゃんルーちゃんのエサと、スティックのりPITを買いたい。
エコバッグとお財布を持って、しゅっぱーつ!
いつものお店で、軸の太い椎茸と、修一郎が食べれるお漬物と、ウーちゃんルーちゃんのエサと、PITを3本カゴに入れてレジに並ぶ。
レジの女性が、ウーちゃんルーちゃんのエサを手に取った。そして、
「ウーパールーパー飼ってるんですか?」と言った。
「はい、飼ってます。」と、私。
「可愛いでしょう〜。」と、女性。
「すっごくすっごく可愛いんです!」と、私。
レジの女性がにっこり笑った。
ウーパーについてあれこれ話す。
もう一軒寄る。
そこにもまたカリフラワーがふたつ入荷していた。今年はカリフラワーが豊作なのだろうか…。
家に帰る途中、車の中で ごはんさんがオバケのQちゃんの歌をうたいはじめた。
♪ あたまっに毛が3本しかない…♪ と、ここで切った。
「そこで切ったら、なんかせつないよ!」と、私。ごはんさんが笑って
♪ あたまっに毛が3本しかなっいんだよ〜♪ と、歌いなおした。
うん。楽しくなった。
そして、帰宅。雨が降りだした。家の中に駆けて入る。
夕食に、昨日届いた見事なカリフラワーを茹でて塩をふって食べた。ものすごくおいしかった。ほくほくしている。カリフラワーの味がはっきりしている。塩だけでじゅうぶんおいしい。
夕食後、片付けをしてから仕事をする。
完成した。でも、1日寝かせてもう一度確認する予定。この1点めはキービジュアルになる。明日から2点めの作画に取りかかろう。
夜、庭に出る。
つめたい。雲の流れが早い。星が少し瞬いている。雲に隠れたり出てきたり。夜のぜんぶに「おやすみ。」を言う。大きな木々の墨色のシルエットが影絵みたいにきれい。
カカオはファンヒーターの前で すやすや眠っている。
今日もいい一日だった。