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おっさんだけど、仕事辞めて北海道でチャリ旅するよ\(^o^)/ Vol,39 裸身

2024 0828 Wed
 
アジアの旅を経験してから、日本人のアイデンティティーについてこう考えるようになりました。
日本人とは、中国文化をベースに独自発展し、それに西洋文化をコーティングした民族なんだな、と。
外側の部分は西洋化しているので、いわゆる “西側” の考え方をします。政治について、人権について、環境について…。しかしその実、中身はもちろんアジア人です。国と個人の在り方、人との付き合い方や距離感、自然への感じ方…。西洋文化よりも、やはりアジア文化のほうが近しい部分が多かったりするような気がします。

洋の東西とかよく言いますけれども…。南北もあるし、右もあるし左もあるし、前も後ろもあるかも…。ホント、いろんな人々がいるわけですよね、世界には。


人間って、ほとんど同じ。
極論ですが、わたしはそう思っています。
肌の色、人種、国籍、地域、…。いろんな違いはあれど、結局のところ、元はほとんど同じではないかと…。
違いがあるのは環境です。歌舞伎町に暮らす人と士別で乳牛を育てる人の感受性が、同じなわけはないでしょうから。
しかしながら…。そんなことを言いながら、その根底には
「やっぱり日本人ですから…」
という部分もあるような気もしたりします。これって、希望的な見方なのでしょうか?

満員電車に揺られて通勤するサラリーマン。極寒の海で魚を追う漁師。そのどちらも、わたしには想像つきません。…働くって難しいですな。


西洋人。
このまとめ方自体に無理があることを承知で書きますが、わたしには西洋人の理解できないところがあります。それは、裸について。
ヌーディストビーチとか女性が公の場で上半身裸になる権利とか、あるいは音楽フェスや体制への抗議行動にしても、西洋人って事あるごとに裸になっている気がするのです。渋谷で酔っぱらって上半身裸になっているのも西洋人のイメージですし、芸術作品とかいいながら100人くらいがすっ裸で海岸に寝転んでいるのも西洋人のイメージです。
「いまはツルツルが常識じゃん! 脱毛しないなんて不衛生!」
と主張するのも西洋人のイメージですし、
「ありのままが一番。生まれたままの姿がもっとも美しいのです」
とふさふさの腋毛を自信満々に晒すもの西洋人のイメージです。
そんな西洋人が、温泉など公衆浴場で裸になることを恥ずかしがる。なんなら、こんなことまで言うのです。
「人前で裸になるなんて…」
う~ん、西洋人ワカラナイデス。

“西洋人”もそうですが、“キリスト教徒”もしくは“一神教の教徒”という存在にも興味があります。宗教って、なんなのでしょうか?



 
稚内から南へ。
日本海オロロンライン。
北海道に憧れる旅人なら、知らない人はいないでしょう。道北の海岸沿いに延々と続く道路。走ってみるとわかりますが、交通量もそんなに多くありません。
天候にも恵まれたその日、オロロンラインを快調に走りながら、頭のなかで、わたしはお気に入りのレコードを順番にかけていきます。
Sea Side Jet CityからDriving South。Chuck Berrykからサッチモ。
荒井由実のものまねが佳境に入ったあたりで、前方から近づいてくる茶色の塊が視界に入りました。…チャリです。

自分と同じようにアレな奴を見つけたときの安心感といったらありませんね!これが仲間意識ってやつでしょうな。


思わず笑みがこぼれます。やっぱり自分と同じアレな奴を見ると笑っちゃいますから…。
まだ年若いチャリ乗りの彼。おそらくテントなどの装備を積み、そこそこの重量になったチャリをそれでも軽快に漕ぐ彼。1つ、彼はわたしと違う点がありました。彼は、上半身裸でチャリを漕いでいたのです。
真っ黒に日に焼かれた上半身。笑顔で彼と挨拶をかわし、そのまますれ違う我々チャリダー。わたしは思いました。
“もうええやろ、海の傍やし…。オレも…”
そして、チャリを停め、ガードレールにチャリをもたれかけて、そしてシャツを脱ぎました。
ず~っと、上半身裸になりたかったのです。と~っても暑いから。
輩に見えたらどうしよう。“キモい”って思われたらどうしよう。“ええ歳こいたおっさんが…”って思われたらどうしよう…。
その気持ちから、シャツのボタンを限界まで外すにとどまり、ギリ乳首を見せないように配慮していたのです。

理想としては素晴らしいし、そういう考え方は絶対に必要です。でもしかし…。現状の再生可能エネルギーに限界がある事実は、認める必要があるでしょう。


そして…。気持ち良い! 予想以上に気持ち良いのです。お盆を過ぎた太陽は厳しさを少しだけ緩めてわたしの身体を包み、海からのそよ風は剥き出しの肩を撫で、脇腹を過ぎて彼方へと消えてゆきます。
わたしはレコードを交換しました。

永く伸びる海岸線。勾配の緩やかな道路。チャリダーの聖地になるわけですな、ホント。

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