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頭の中の自分に耳を傾けるとき/Oasis「The Masterplan」

oasisの「The Masterplan」についていろいろ言ってる記事です。

今年聴いて衝撃受けた曲のうちの一つ。もう一つはSyrup 16gの「神のカルマ」

Take the time to make some sense of what you want to say
君の本音に向き合う時間をとるんだ
And cast words away upon the waves
そして君の言葉を波に漂わせるんだ
And sail them home with acquiesce on a ship of hope today
そして今日、奴等を希望という名の船に乗せておとなしく家まで漕いで行くんだ
And as they land upon the shore
そして奴等が岸に着いたら
Tell them not to fear no more
もう怖がらなくていいと言ってやれ
Say it loud, and sing it proud today
今日こそは大きな声で、誇りを持って歌うんだ

このサイト【 http://definitely-maybe.blog.jp/archives/3239221.html 】の和訳が特にお気に入りなので引用させていただく。

とくに前半の歌詞が好きで初めて読んだ(意味を知った)とき、自分の頭の中の癖をハッキリと言い当てられたような気分でゾワゾワした。
そのとき、「あ~この人は自分の気持ちに素直に向き合って言葉って形になるまでに時間がかかる人なんだ、つまり私と一緒じゃん??(?)」
みたいな?(おこがましさMAX)


普段はなかなか自分を解放できないけど、今日だけは胸を張って歌ってもいいんだって、魂を解放してくれる歌だと思う。

私は文章を書いてる今もわりとこの気持ちでいる。
普段はあまり文章を書くのが得意では無いんだけど、言いたいことがあるときは言葉が波に流されてするすると頭のてっぺんの後あたりから出てくるようなイメージで書ける。それに言いたいことがあってもすぐに形にはならなくて、頭の中でうまくまとまったときやタイミングの良いときに初めて文章になる。そのときに自分の頭の中でいろいろなことがまとまって言葉になるまでの過程がまさにこんなイメージなのだ。

前提として「自分の気持ちを素直に伝えられない」っていうハンデがあって、だからこそ「今日こそは誇らしく歌っていい日なんだ」=「解放」っていう捉え方をしている。
そして私はそれにとても救われた。
私は調子が悪いときは言いたいことは溜まってるのに気持ちが一文字も言葉にならないし、そういうときたいてい死ぬほど苦しくて、身体の中に低気圧の渦が閉じ込められてる気持ちになる。
こんなふうに考えて生きづらく思ってるのは私だけだろうと思ってたから、こういう隠れた頭の中の習慣を言い当てられて「私のことか?」とつい思ってしまった。

歌詞の前半だけでこんなに語ってしまったが、このことを踏まえて壮大なサビに入るところで毎回拳を突き上げて泣いてしまうし、もうその時点で言葉なんてきらないし、こんなに頼もしく背中を押してくれる曲他に無いですよほんとに。
全体を通して、この人の人生観に身を任せていればたとえ地獄行きでも最後は最高だって言って死ねる気がする。そんな人生が始まって終わるまでのことを考えさせられるような意味を一曲の中に凝縮して歌い上げられたらもうどんなお守りよりも強いし、触れないけど心の中にあるかぎりずっと効果は続くだろう。

だから、これからも自分に向き合って文章を書くときは情けないけどいつもこの曲を思い出すんだろうな。出会えてよかったと心から思う。



以下歌詞とあんまり関係ない個人の体験談になる。
私は内向的で自分の思ってることがうまく喋れないことがめちゃくちゃコンプレックスだった。

精神科行く一歩手前くらい病んでいたとき、うまく自分の気持ちが言葉にならなくて泣き出したら半日以上止まらないことが月に何度もあって家族にも迷惑かけて学校にまともに通えない時期があった。
そのときに私が人を頼ることが苦手でうまく喋れないことをなんとか伝えても両親に理解してもらえず「喋れないお前が悪い」と言われ続けてきたので、言葉の通り私がいつも全部悪いし、どうしようもないんだなあと思った。
小さい頃から家庭の中でも言いたいことを必死に押さえ込んで自分を殺して無になることで親の顔をうかがって生きていたので、まあ当然な結果だった。

大学では、わりとみんな外向的な人が集まっていて、私はそこにいて仲良くするフリもしてみたけどやっぱり自分は内向的な人間で、表現が下手でぜんぜんたいしたことなくて、やっぱり成功する人は外向的でパワフルで人に頼るのが上手い人が選ばれた人間で、どうして私はいつもこのままなんだろうなとみんなのことをずっと疎ましく思っていた。

ノエルギャラガーも内向的なタイプで、私と似ていると思う(おこがましいのは承知の上で)
今まで自分の性格が嫌いで、最悪だと思っていたけど、自分みたいな内向的なタイプでもダメじゃなくて自分をしっかり奮い立たせて結果を信じて行動すればいつかノエルギャラガーみたいになれるんじゃないかと。
そんなふうに思ってしまうほど、「The Masterplan」は衝撃的で、こんなにこれまでの人生の節々に納得がいったことが初めてだっだので、いままでの雲を掴むような人生がとても楽になった。

内向的であること、素直になれないこと、人を頼れないこと、しょっちゅう自分がどこにいるのかわからなくなること、自分の心の中に誰も入れられないこと、いろんなことを許せないこと、それでも泥臭く生きていていいんだってことを、全部を認めてもらえたような気がする。自分に正直になることは難しいし人生はなるようにしかならないけど怖がることはないんだと。

それに、自分の気持ちを文章にまとめる(書いて吐き出すのほうが近い)ことは自分にとってとても重要で、精神のバランスを保つために必須なことなんだけど、いかんせんめんどくさがりで普段は全然文章なんか書けないので、そこに立ち向かう勇気をこの曲からもらって過ごした半年だった。

ときどき、今後今年のことを思い出すときに、コロナ禍とオアシスというバンドにはまったきっかけが重なったことを思い出すんだろうなと考えると悔しくてたまらないが、世の中がこんなことになければオアシスにハマる余裕もなく社会人一年目を過ごしていたかもしれない。でも、世の中と関係なく私はどの道を辿ってもオアシスを聴いて好きになっていたと信じたい。


偉そうなことをたくさん述べましたが私は最初ノエルギャラガーの顔から入ったしょーもないファンなので…いつになるかわからないけどライブでご本人が拝める日が来るまで生き延びたいですね。

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