Op.19 秋雨
Freitag, November 2
考え事の途中でシャットアウトしてしまったせいか、塞いだ気分で始まった今日という日の午後にさしかかった直後、自身の価値が毎日どころか毎時間毎分変わる気まぐれな私の心中はみるみるうちに雲行きが怪しくなり、ついには秋雨が絶え間なく心の地面を突くようになってしまった。
私の心の地面はアスファルトでもフローリングでもない。不揃いな砂利が敷かれた土だ。雑草もちまちま生えている。この秋雨のせいで、今日の私の心はぬかるんでべちゃべちゃだし、雨に打たれた砂利がわずかに傾くから周りと擦れてちっちゃな傷をつくり続けるしで、居心地の悪さったらありゃしない。
幸せを求めて味わった一瞬の出来事を、あの後もぽつぽつと思い出す。
最適解は導き出せないままだ。