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年相応とは?
定期的に存在を思い出す新聞記事があり、メモ書き代わりに残しておこうと思いました。まだ、就活の流れで私が紙の新聞をとっていたころの話です。
某全国紙のある日の夕刊に、当時の百貨店婦人服の販売動向について書いたコラムが掲載されていた。
筆者は確か男性記者で、曰く、30代以上の女性に色鮮やかな服がよく売れている。以後、売り場のスタッフへのインタビューや数字などが並び、最近の妙齢の女性は年相応の装いというものを気にせず着たいものを着るようになったのだろうか云々というふわっとした文言で締めくくられていた。
まだ新聞の電子版も整ってなく、恐らくは紙媒体の読者(主に中高年男性?)に寄せた内容で、読んですぐの感想は、お父さんの喫煙室トークみたいな所感でいきなり締めくくって、いくら夕刊のコラムとはいえこれで、タブロイド紙でもない新聞の一記事としてありなんか?という違和感。
そもそも年相応の色って何だ?? くすんだ色とか???
多分、電子版が普及して不特定多数の目に触れる令和で同じ記事を出したら、即炎上してただろうなー。当時だって30代ぐらいの女性が地味な服を着るべき(?)という発想は当の30代女性でもぴんとこなかったのではないだろうか(私も当時アラサーで一瞬思考がバグった)。
別に地味が悪いわけでもなんでもないが、30代以上は地味な色という固定観念を押し付けなくても、地味でも派手でもなんでも、人に迷惑にならなければ好きな服を好きなように着たらいいわけで、、
荒ぶってしまいたくなるが、暗黙の了解でそういう共通理解が進んでしまいそうな環境というのはわかる。もし私が大学で上京せず、村社会で世間の狭い地元から離れず暮らしていたら、素直にそのまま受け取っていたかもしれない。
例えばコロナ禍の初期、近隣で感染者のニュースが午後一に出たら、その日の夕方には、その人のかなり個人的かつ詳細な情報までが、全然縁もゆかりもない私の家族にまで伝わっているような土地柄である。気を付けてねーと軽く言うつもりで電話したら何故そんなことまで、という話を聞かされてびっくりした記憶。
そういうコミュニティで目立ちすぎることは、微妙な立ち位置に置かれることを意味するので。。
とはいえ、この記事については、上京して十数年の身からすると、新聞でわざわざ書くことかどうかは疑問が残った。
大学で東京出てきて、よくも悪くも誰も他人の服装など気にしておらず、都心に出れば自由な格好の人が沢山いて、年を取っていようがいまいが派手な色を着る人は着るしそうでない人もいるし、服好きの人間としては、上京してよかった点の一つ。
入学した女子大の学長(女性、当時60代ぐらい?)はグレイヘアにうっすらカラーを乗せた髪にパステルカラーのスーツで入学式に現れたし、新卒で入社した会社の先輩女性(30代)のお気に入りはパステルピンクのパンツスーツ。私も色に関しては結構自由に着ていたが、基準がその先輩だからか、注意された記憶なし。
更に転職先の職場も内勤は服装比較的自由、女性役員は原色のパワースーツの人もいるし、ブランド好きもプチプラ好きも、皆思い思いに自由な格好をしている。
遡れば高校も私服通学だったので、制服を着ていたのは幼稚園と中学校の時だけだったな。
たまたまそういう巡り合わせで、服装規定が厳しい場所にあまりいたことがないだけかもしれないが。。若し就職先が外回り営業や金融であれば、もっと違った感想を持ったかもしれないけども、ね。
かえって年齢が上がった方が色に顔が負けず、着られてる感を出さずに纏えるものだって多いと思うんだけど。
そんなことをつらつら思い返していると、一周回ってあの記事は何を言いたかったんだろうと、今でも時々考えてしまいます。