ビジネスマナーとは
なんでジャンパーを脱がないとならないのか、ジーパン×サンダルはダメなのか、ピンクより紺・黒なのか?など質問されたら、どう回答できますか?
先日、転職者向けの「企業交流会」でファシリテーターを務めました。
その際、フード付きのダウンジャケットや薄手コートを着たまま企業ブースで対話をしている転職者が数名いました。「服装自由、選考無し」という比較的カジュアルなイベントであるため、身だしなみに対する意識が薄かったのかもしれませんが、マナーをご存知ないのかもしれません。
気になって「会場が寒いですか?」と確認しましたが、「寒くない」との返答。会場のほとんどの転職者はスーツを着用しており、企業側もフォーマルな装いです。そのため、これだけで印象が悪くなったらもったいないと思い、「脱いだほうが良いのでは」と直接声掛けをしてみたところ、「え?なんで?」という驚いた表情をされていました。
強く抵抗されたわけではありませんので、ファッションを主張したかったんだろうと思います。確かに「誰にも迷惑はかけていない」「自分の好きなファッションでテンションがあがり仕事がはかどる」という考え方も理解できます。
実際、店員がパジャマを着て接客するパジャマメーカー、アロハシャツが定番のハワイの銀行、ジーパンOKの楽器店などもありますので、ケースにもよります。
しかしコートだと動きにくいという実用的な問題もあるほか、一般的なビジネスマナーの観点で問題がいくつかあるかなと思い、今日はビジネスマナーについて考えてみます。
・マナーは、ルールではない。相手目線に立った「他者満足の追求」
服装のみならず、言葉遣い・姿勢・態度など含めて、マナーとは、相手がどう思うかを考える「心遣い」の表現です。
各自のセンスやオシャレは自己満足の追求です。表現は自由だと思いますが、マナーは他者満足を追求するもの。
ビジネス相手に安心して、信頼してもらえる見た目や立ち振る舞いが大切です。
大手術をするときの医者や看護師が、(凄腕だったとしても)見た目だけ不衛生に見えたら?
大切な財産を預ける銀行・証券会社の担当者が、(実際は、セキュリティ万全の管理体制だったとしても)立ち振る舞いからして適当でずさんな対応に見えたら?
不安で任せられないですよね。
ビジネスでは、一緒に働く仲間からの社員目線と、顧客目線での言動が求められます。そのため、採用面接でも、応募先企業の顧客(購入者・利用者)に受け入れられそうか否かを評価基準の1つとして、チェックしています。
エンドーユーザー目線、病院なら患者目線、学校なら生徒さんや保護者目線、など顧客層によって求められるものは異なるため、各対象者から選ばれるマナーを考えましょう。
・相手への敬意・こちらの本気度・清潔感
相手目線に立った言動をただ暗記すること以上に、大事なのは、相手を思いやる「気持ち」です。
服装や所作などマナーで迷ったら、まず複数パターンを考え、相手はどう思うかを考えてみましょう。
より「相手を敬っていることが伝わり、こちらの本気度と清潔感も伝わるか」考えてみると良いでしょう。
・フォーマルとカジュアルの違い
TPOに応じたマナーが大切です。仕事は基本的にフォーマルな場と考えられ、ビジネスや格式高い式典などで身に着ける服装の基本はスーツです。
私服OKと言われても、ジャケットは羽織ると良いでしょう。
ジーパンは元々作業服なので、場に合いません。(逆に、土木作業現場に着物で来られても、困りますよね。場に合った服装がマナーです)
カジュアルな服装とは、プライベートなどリラックスした環境で個性や快適さを求める私服です。具体的には、素材、デザイン、形、色、柄などで説明できます。
・素材:デニムやフリースなど、実用性や快適さを重視したもの。
・デザインと形:フード付きやダボっとしたシルエット。
・色や柄:明るい色味や装飾、目立つ柄が多い。
このように、フォーマルとカジュアルでは服装の目的や選び方が大きく異なります。TPOを意識して服装を選ぶことが、適切なマナーにつながります。
ファッションは主観的なセンスや判断に左右されますが、いずれにせよ、人から見られているという意識を高く持ち、相手目線でbetterを考える姿勢が大切だと思います。
マナーを解説する際にも、何が(What)・なぜ(Why)問題で、具体的にどう(How)したら良いか、までを話し合えると良いでしょう。
ご参考になれば幸いです。