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間(沈黙)を読む

先日、キャリア支援者向けの研修にて「間(沈黙)」について
いくつか質問があり講義をしました。

今日は、間の種類を学ぶだけでなく、クライアントごとの間の使い方にも関心を持ち、その意味を考えて、人物把握をすることが大事という話。

たとえば、仕事の悩みを聴いている際に、現職の上司については即答するのに、部下のことや未来について聴くと、少し沈黙が増えるというケース。
これにはどんな意味があるでしょうか?

考えられる要因として、以下のようなものがあります。
・上司へのネガティブ依存
 ※常に上司の存在が頭の中にある状態。過度に上司の言動に反応して、反発する/または期待を超えることが目的となり、自分を保っている
・部下に対する関心が薄い、または苦手意識がある
・未来について考える習慣がない、または苦手意識がある

本当にそうかは聴いて確かめないと分からないですが、このように
「何を話しているか」だけでなく、「どんな質問にどう答えているか」に注目すると、その人の思考パターンや心理状態が見えてきます。

さらに、この視点を持つことで話の中にある矛盾にも気付けるようになります。

たとえば先ほどの例で、上司のことについてはたくさん間髪いれずに話す一方で「私は部下や未来についても、いつも考えています」と言いながら、質問をしても間が多く、やや不明瞭な回答が続いた場合はどうでしょう。仮に明快な答えだとしても、上司の話のときとは異なる「沈黙の多さ」と「言っている内容」に矛盾を感じます。
上司に対する思考の占有率が高すぎるのかなと見立てます。

こうした状況では、上司対策を話し合うだけでなく、自分が無意識に影響を受けていることを客観的に整理することも重要です。

質問の「答えやすさ」にも意味がある

キャリア相談者(相談する側)も、キャリア支援者(相談を受ける側)も、ただ質問の内容について考えるだけでなく、「答えやすい質問」と、「答えにくい質問やテーマ」がある場合、その違いに注目してみると良いです。

答えにくい理由として、例えば以下のようなことが考えられます。
・今まで考えたことがない(思考の未発達、未知の分野)
・人の意見に依存してきた(自分の意見がない)
・思考の穴(抜け落ちている視点)がある
・無意識の心理的ブロック、苦手なこと、過去のトラウマ
・そもそも関心がない、優先度が低い
などが考えられます。

質問の答えだけでなく、「間(沈黙)」を探求すると、その人の考え方や価値観を読み取ることができます。
言っていない背景までも理解しようとすることが大事です。

これは、面接官としての視点や上司・部下とのコミュニケーション、お子様や友人との対話にも活かせるはずです。
ぜひ日常の会話でも試してみてください。

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HP:インフィニティ キャリアコンサルタント

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みるふぃーゆ
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