やりたいことがない
キャリア相談に乗っていると、「何がしたいか分からない」「やりたいことがない」という悩みによく出会います。
聞けば「好きな仕事が分からない、もしくは好きな仕事なんてない」という。
また、今の仕事はイヤではないけど、好きかどうかと聞かれると、「なんか違う」という人も多いですね。
その場合、下記の2パターンの可能性が高いので、考えてみましょう。
①仕事を「好き」で選んでいない
②仕事の「好き」の考え方が分からない
①仕事を「好き」で選んでいない
「好きなものを扱いたい(名詞)」「好きなことを仕事にしたい(動詞)」と「好き」を名詞・動詞から考えて選ぶことは一般的です。
ゲームが好きだからゲーム業界、旅行が好きだから旅行業界、人と話したいから営業、、、など。それをフックにまず考えてみましょう。
ただ、好きなモノやコトはあっても、(音楽聴く、推し活、昼寝、SNS見る、読書、などの趣味や余暇にやること)それを仕事にしようとは思わない人だっていますよね。
これが価値観。職業に関する価値観なので「職業観」。
・仕事は、好きかどうかではなく、稼げるかどうかだ。とか、
・趣味じゃないんだから、能力発揮できる得意なものを仕事にすべきだ。
とか、人それぞれの考え方があって良いです。
他にも、仕事とは、いかに喜ばれるか、頼られるか、成長できるか、社会貢献できるか、、、など。要は好きかどうかで選んでないので、結論、こういう人は、「好きな仕事は何か」を考えなくて良いと思います。
こうした考え方を重視している人は、価値観重視の選び方なんだと思います。
名詞や動詞ではなく、「〇〇な仕事」の「〇〇な」に当てはまる「形容詞・形容動詞」で仕事の状態を重視して考えていたり(それが好きかどうかというよりも、かっこいい仕事がしたい・キレイな仕事が良い・身の丈にあったできることをやりたい・仕事でも人に優しくありたい・仕事は正しく行いたい・安定した・偉大な・革新的な・上品な、、、など)、
または「~~のための仕事」というように人生の目的で選んでいる。
目的
┗その仕事を通じて何を成し遂げたいか(貢献、成長、個人的な夢、、)
┗今、その仕事から何を得ているか(安心、信頼、名誉、、)
┗その仕事は、今後自分の人生の何につながると思うか?(〇〇との出会い、〇〇へのチャンス、こんな生活、、、)
その仕事を選ぶのは、「〇〇のため」と別目的が出てきて、
仕事はあくまでも手段という考え方。
こういう場合は、そもそも好きかどうかで選んでないので、改めて言いますが、好きなこと・やりたいことがなくても良いと思います。
その代わり、どうありたいとか、仕事を通じて何を得たい、などを自己探求して、それが実現できそうな仕事や環境を考えると良いでしょう。
②仕事の「好き」の考え方が分からない
好きなことは無いと言っているのに、私と話していくとどんどん好きな仕事が出てくる人もいます。
それは、ただ深掘り方を知らなかっただけで、「好きなことがない」わけではない。「潜在的に無意識に眠っているものも引き出し、言語化する方法論を知らなかった」だけです。
下記の質問に答えながら、好きな仕事を考えてみてください。
・これまで充実していた、または思い入れのある仕事は何か?
共通項から、好きの要素を抽出する
・いま行っている仕事を分解し、比較で考えてみる
前工程、後工程などに分けて、どの部分が最も好きか?
〇〇向けと●●向けなど仕事の対象や、案件の大きさ、難易度など、仕事を分類して比較してみると、より好きな仕事はどれか?それはどうしてか?
・一般的な理由を調べて、ヒントにして考えてみる
同じ仕事をしている人たちが、自分の仕事の好きな理由を語っている記事はたくさんあります。それを見ながら、「これは一緒!確かにある!」とか「これは自分にはないな。違うな」と自分の「好き」を考えるヒントにしてみましょう。
・誰のために?
┗誰のためなら頑張れる?誰を喜ばせたい?
┗その人たちは何に困っている?
┗どうなってほしい?
┗この仕事がないと、社会はどうなる?
⇒これらの回答に、この仕事が好きな理由はないか?
・どこで働きたい?
┗海外、東京、在宅、出張多くしたい、工場、海の近く、、、
・誰と働きたい?
┗若い人、経営者、有名人、海外の人々、、
・どんな目標を追うのが良い?
┗量、質、スピード、その他
・どんな仕事の進め方が良い?
┗数字やデータの論理で、人の感情やセンスで、1人かチームか、伝統的/ルーティン、革新的で日々新しい刺激、、、
など好きな仕事を探す切り口はさまざまあります。
唯一の正解を探さない
こうなると、逆にあれもこれも良いかも!興味ある!となってしまって
「1つに絞れない、この仕事である唯一の理由がない、他の仕事でも当てはまってしまう」となってしまい、さらに迷う人もいます。
まずは、その仕事に興味が湧いたならば、さらに深く調べて挑戦する。複数選択してみる。でも良いのではないでしょうか。
やる前から「唯一の『好き』な仕事」を考える方が難しいですよ。
たとえば、消防士は火を消す仕事ですが、町の平和を守るという意味では
警察も、民間警備会社も、政治家も同じ。
じゃぁ「消防士じゃなくても良いのかな」と迷いそうですが
消防士をやりたい理由が1つでもあるならば、消防士をやりたい。それで十分だと思います。(受かるのか、向いているか、食べていけるのか、などは別で考えるべきですけどね)
こうして何をどう考えるか、考え方をまず知ることから始めると、
行き詰まり感から解放されると思います。
一人で悶々と苦しむ前に、こうした考え方を提供してくれるキャリアコンサルタントに是非、相談してみてください。
自分に合う仕事も提案してくれます。知らない自分にも出会えると思います。無料相談も色々な場所で、たくさんやってますので、
キャリア相談がもっと一般的に広がると良いなと願ってます。