中高生向けキャリア教育
最近では、小学校でもキャリア教育の授業やイベントが増えてきましたが、私も中高生向けのキャリア教育で登壇する機会があります。
事前アンケートで感じるのは、働くことに対してネガティブな印象を持つ学生が意外に多いことです。これは、一部の不安を募るSNSやニュース、または身近な大人の影響があるかもしれません。仕事の種類をあまり知らなかったり、情報が偏っていたりすると、自分の将来を具体的に描けず、不安を感じるのも無理はありません。
だからこそ、世の中にはどんな仕事があるのか、その多様性や魅力に触れる機会を提供し、「働くこと」の意味を考えるきっかけを作っていきたいと強く思います。
職業体験や職場見学、実際に働いている人の話を聞くイベントは、そうした目的にぴったりです。
知り合いのお子さん(中学生)も職業体験の授業でラーメン店に体験に行ったそうで、まかないが美味しかったとか、とても楽しそうに話してくれました。飲食店だけでなく、多種多様な法人が受け入れ先として協力しており、学生が体験先を選べる仕組みになっているようで、素晴らしいと思いました。忙しい中で学生に機会を提供してくださる事業者の方々には、本当に感謝しかありません。
せっかくの職業体験の場なので、「作業を教えてもらった」というだけで終わらせるのではなく、仕事のやりがいや意義、収入を得る以外の「社会や顧客とのつながり」、仕事を通じて得られる「ありがとう」の喜びも感じ取れると良いですよね。また、職人たちのカッコいい姿や、自分が関わったことが形になる充実感、徐々に上手くできる成長実感や成し遂げた後の達成感なども体験できると最高ですね。
仮に自分の「好き」や「得意」がすぐに見つからなくても、チャレンジすることの価値や、将来への学びの好奇心が高まれば、大きな成果だと思います。
一方で、社会人になると職業体験の機会は減ってしまいますが、社会人向けのインターンシップや職場見学、企業を巡るバスツアー形式の就職イベントもあります。これらも、「就職するかどうか」だけではなく、「働く」という広い視点で多くの学びを得る場として活用してほしいですね。
「うちの仕事で働く意義なんて伝えられないよ」と謙遜される事業主の方もいらっしゃいますが、どの仕事にも魅力ややりがいは必ずあります。
採用支援の仕事をしていると、その会社の人事や社員さん以上に私がその会社の魅力を語っていることがあるのですが、社内でもそういった誇りを感じられる機会が増えれば良いなと思います。
私の職場を見学してもらうことはなかなかできないのですが、私にできることとして、
さまざまな職場の魅力と、働くことの楽しさや意義を伝え、少しでも多くの人が働くことに前向きな気持ちを持てるように、学生のキャリア教育にももっと貢献していきたいなと思った次第です。