トルタ ディ パラディーゾ 〜 イタリア菓子のお話①
イタリア菓子のお話
1回目はトルタ ディ パラディーゾです。
トルタ ディ パラディーゾはその名の通り天国のお菓子。
ホロっとした食感は本当に軽くて、バターがたっぷり入っているとは思えないほど。
口溶けも良く、食べている時は幸せ!本当に天国のお菓子。
あの有名なオペラ歌手マリア・カラスが大好きだったそうで「私のお菓子」と言っていたくらい。
実は私、マリア・カラスが大好きなのです。
マリア・カラスと言えば「ランメルモールのルチア」や「ノルマ」「椿姫」など高音の技術が必要とされる曲を軽々と歌い、かと思えば、深みのある低音を聴かせる「カルメン」をドラマティックに歌う20世紀最高のソプラノ歌手と言われた歌い手。
そんなマリア・カラスもきっと幸せな気分で「トルタ ディ パラディーゾ」を味わっていたのでしょう。
「トルタ ディ パラディーゾ」はロンバルディア州パヴィーアの郷土菓子。
19世紀後半にパヴィーアの菓子職人エンリーコ・ヴィゴーニが作ったのが始まり。
試食で食べた人(ある侯爵という話もある)が「これは天国の味!」と言ったことから「トルタ ディ パラディーゾ(天国のお菓子)」と名付けられパヴィーアの銘菓となったのです。
ホロっとした食感は粉の半量に片栗粉を使うことと、玉子は全卵➕卵黄という配合。
そこからくる食感、そしてレモンの皮のすりおろしも入れるので香りも良く美味しさが倍増するのです。
片栗粉?と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
実はイタリアではコーンスターチ(とうもろこしの澱粉)ではなく、ジャガイモの澱粉、日本でいう片栗粉を使うそうです。
作る際に「えっ?こんなに片栗粉入れるの?」と思いましたが、食感の軽さが小麦粉10割よりも全然違うのです。
配合的にもほぼパウンドケーキの4同割りに近い配合ですが本当に軽いバターケーキの出来上がり!
何度も食べたいと思わせる逸品です!
※参考文献:イタリアの地方菓子(須山雅子著・料理王国社)
イタリアの手作りお菓子(みやしたむつよ/宮下孝晴著・梧桐書院)
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