見出し画像

#ドラマ感想文「宙わたる教室」 2 藤竹先生が爆発する瞬間(ちょっとネタバレ)

このドラマの藤竹先生ですが、窪田正孝が熱血教師にしたくないといってかなり、さめた感じの先生として描かれていますが、おとなしい藤竹先生が爆発するシーンが2回ありました。

それが彼の人間性を理解するうえで大変、大きな感情であることが9話でわかります。1回目は高校生の研究発表会に参加しようとエントリーするものの定時制だからといって断られるとき、理由はなんですか?と聞いた藤竹先生に「前例がない」という返事がきて、その時彼はさけびます。「そんなことは理由にならない」。この叫びですが、演出の素晴らしさで彼の顔がでてきません。怒鳴り声で保健室とか、教員室に響きわたる。
この1回の怒鳴り声が、いままで中性的な大人しい藤竹先生を妙に男っぽくさせます。今は、男っぽいとか、言ってはいけない時代なんでしょうか、、
でも女らしさとか、男気があるという特有の美点だと思うのですが、そこをねじまげるのはよくないです。 話がそれました。この彼が感じた怒りというというが、このドラマの大きなテーマにはなっている。

あと、もう1回が、ガックンが学校を辞めると言い出したとき、彼は目を見開き「実験をやめるんですか?」と聞きます。このときの彼は「辞めないで」といわずに大きな感情の変化をあからさまに表皮させた瞬間だと思いました。

このとき、ガックンは「諦めることがつらい」といって泣きます。それでも藤竹先生は、「大丈夫だよ、辞めてはいけない」なんて、言わないのです。
ただ、ガックンの意思を尊重する。

このドラマのすごくいいなと思うところは、大変な境遇からみんなでがんばって困難を乗り越えました的なよくある描き方を徹底的に避けてリアルな感情をお仕着せがましくなく滔々と伝えた感じが優れたドラマだなと思いました。

このガックンの不良仲間との関係もよくある描き方とは一線を画していて、不良仲間でかなり半グレっぽい三浦という男の描き方も単純な悪人には描いていないところがいいなと思いました。

細部にわたり登場人物がすべて重要な役割を負って登場してきます。

いいドラマって、何回でも観たいですよね。何回観ても発見があったりしてお正月も見直しています。