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stonechat777
大人バレエ 発表会という魔物
バレエを始めて、舞台に立つなど考えせず、地味な陰鬱ないじめにも耐えながらお稽古を重ねてきました。
そのときの私は少しでもうまくなりたいと思い、ちょっとうまいひとが意地悪をしても耐えて耐えて生きてきました。
わたしは、スポーツクラブのバレエ教室からはいあがってきたので、お教室とか無縁でコツコツとお稽古してきました。
やはり、スポーツクラブでは無理と気がついた私は、色々なバレエ教室の門をたたき、そこから色々経験をして、大きなバレエ教室にたどりつく。
そこでも入門のひとたちは、それはそれは心が狭く、大変な世界でした。思うに、できない人間はこころが狭いのです。わかってないから人に意地悪なこといって、上のひとにはこびへつらい、少しでも自分に都合のいいようにふるまうようになります。
なにもわからない頃の私は、そんな嵐のなかでただよって、心はとてもささくれていたと思います。
しかし、わたしは母が急に倒れたのにもかからわず、舞台に立つ決心をしました。仕事で大変な思いをして会社を辞めるという決断をしたので、なにか奮起しようとしたのかもしれません。
そして私はなんと、初めての舞台で白鳥を踊るという大変な挑戦をすることになります。もちろん群舞です。
これが大変だったのですが、本当にこの舞台がなければ、今の自分がないと思うくらい感動の連続でした。
舞台にたって、ひとから見られて、うまくすれば、ひとになんらかの感情をあたえることができる。これはほかには代え難い喜びでした。うまいとか下手とかでない、そこに自分がいて、みんながみてくれていたという事実が感動をおこすわけです。
舞台に立つということが、そして、自分に大きな変化をもたらすことに気づく。そこから私のバレエの旅路が始まります。