友達が画伯になっていた。
小学校の同級生が絵描きになっていた。小学校の頃、家に何回かお邪魔させてくれた。だが一度も絵を見たことはなかった。彼女の家のリビングには何も無くて、ビックリしていたら絵を描いていると突然告白されてさらにビックリした。子どもながらにテレビドラマで見る、大きなキャンバスと無機質な雰囲気のtheアトリエと彼女の家のリビングを頭の中で重ねたら、何も無い部屋にやっと納得がいった。そんな彼女と遊んだ記憶も遠く薄れていた。それから20年位経ったある日、地元新聞の副読紙に超繊細なタッチの柔らかい品のある天使を描いた様なヨーロッパ絵画の様な絵が載っていた。こんな絵をどんな人が描くのだろうかと何の心構えもなく作者の写真を見た。なんと!懐かしい彼女のアップ写真がドバーンと目に飛び込んできた。「おーっ!」と思わず独りで叫んだ。名前をすぐに確認した。彼女だった。何だか随分雲の上に行ってしまったなあと寂しくもあり、勿論とても嬉しかった。何十年も前だけど、とにかく私は画伯の家に遊びに行ったことがあるのだ。改めて、こんな素敵な絵を描く人だったのかとタイムマシーンに乗って確認しに戻りたいと思った。最近、私は
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