書く習慣1ヶ月チャレンジ・DAY7「最近悩んでいること」〜高校生に間違えられる30代の話
今の最大の悩みは、顔に似合う服と年齢に見合う服が一致しないことだ。
自分に似合う服、とは、年齢を加味することも当然ながら含む。
子どもの頃は、成長するに従ってサイズが小さくなるため、服を買い直していくことは致し方ないことだった。
しかし、大人になると、それは意識的な作業になる。
例えば10代〜20代前半の頃に着ていたものは、徐々に捨てるか譲るか売るかして、「今の自分に似合うもの」を考えていかねばならない。
ワードローブはアップデートしていくのが筋なのだ。
私はアラサーだ(しかも、30をこえている方の)。
自然と、30代にはその年齢に相応しい服を着られるものだと思っていた。
寂しくもあり、でも同時に少し嬉しかったのだ。
というのも、私は常に、年齢より幼く見られてきたからだ。
学生時代も、中学生の頃は小学生、高校生の頃は中学生、大学生の頃は高校生…… と、いつも一つ下の段階に見られることばかりだった。
若い頃というのは、大人っぽく、実年齢より年上に見られることを好む傾向にある。
したがって、若い頃の私は、なんとなく幼稚に見られているようで、これが嫌でたまらなかった。
例えば、21歳の頃。母の友人の娘さん(私のひとつ下)が成人を迎えたからということで、母と一緒にプレゼントを選びに行った時のことだ。
成人のプレゼントだという旨を話し、店員さんと雑談していたところ、店員さんが母に、
「お嬢ちゃんはまだまだ先かな。楽しみですね」
と満面の笑みでおっしゃった。子どもだと思われていたらしい。
母が「いや、この子はもう成人式終わってて、21なんですよ(笑)」と言うと、「えーっ!!!!ごめんなさい、かわいらしかったので……」と店員さんが謝ってきた。
中高生どころか、明らかに小学生くらいのあどけない子を愛でる目だった。
こんなこともあった。その3年後、社会人3年目の私は、両親と食事に来ていた。
食後にはコーヒーがついていますと言われた店員さんは、ふと私の方に視線を移した。
その、中高生を見るような目はやめて…… 爆弾発言の予感を察知しちゃったよ。
そして、店員さんは口を開いた。
「コーヒーで、いいですか?あれだったら、ジュースとかに変えられますよ」
ほらきた!!!!!!!!!!!!!!!
「いや、そのままで大丈夫です」
私は、多少の苦笑いを隠せぬまま答えた。
ブラックコーヒーは大好きだし、むしろフルーツが苦手なのでジュースの方が困るからそのまま「が」いいです…… そしてもう24歳なので……
そして、食事が終わり、いよいよ食後のコーヒーが運ばれてくる時が来た。
時は満ちた。
あろうことか、店員さんから、「コーヒーで、(ほんとに)よかったですか?」
と、二度目の問いかけが行われたのだ。
また、幼子を見るような慈悲深い目で、私を見つめてくれている。
「はい、コーヒーでお願いします」
ファイナルアンサー(古)。
だって、24歳ですから。
「飲める?」とはっきり尋ねられたわけではないので、流石に年齢を言うのもなと、店員さんがちゃんと運んできてくれた私の分のコーヒーを飲みながら両親と話した。
両親も、思わず笑いが込み上げてきそうになっていたそうだ。
「明らかに、高校生どころか、中学生だと思われてたね」で全会一致だった。
そんな私も、30歳を迎えた。
コロナ禍になる前に通っていたジムで、こんなことがあった。
その日、ジムが昼休憩の時間に入る直前まで残っていた私は、母と同じくらいの世代に見える女性方に声をかけられた。
「若くてシャンシャン動けていいね〜〜 …学生さん…… じゃないのよね?」
「はい、30歳です」
「えええええっ!!!!!!30さい!?!?!?!?!?!?ねえねえ、この方30さいだってぇえええ!!!!!!」
ジム中に響き渡る、女性方の声……
ここではプライバシーなど無いようだ。
中高年の方が多いジムの中で、私の存在はほどほど目立っていたようで、
「学生さん?でも、それならこの時間って学校どうされてるんかねぇ。」
「ということは、やっぱり20代よねぇ。」
「でもねぇ……」
という会話を、仲間内でいつもしていたということを、その女性から聞き、お、おぅ……と思った次第。
コロナ禍が続く中、もうそのジムはやめてしまったが、母や祖母の世代の女性方からこんな風に話しかけられることはこの一度だけではなく、いつも年齢の話になると驚愕された。
エピソードが多すぎて長くなってしまったが、とにかく、顔に似合う服を選ぶとただの中高生の休日になるし、30代に相応しい格好をすると、あれ?お母さんの洋服借りてきたのカナ(о´∀`о)???というチグハグ感が否めない。
特に、ロングコートなど、長いものが絶望的に似合わない。身長は165あるのに。
完全に、ちょっと背伸びしたい願望が抑えられなかった子どもになるのだ。ただのおばさんなのに!
化粧に関してもそうだ。例えば口紅も、つけてます!という主張のあるものは、お母さんの化粧品を借りた中学生になる。イタイよ。やめようよ。
正直、よほど方法を考えないと化粧が似合わないので、割と頻繁にすっぴんで出歩いてしまう。
幸い、肌の悩みはない。こうして、顔の悩みはあるけども。
年齢のプレートを下げて歩くわけではない。
だから、ある程度は見た目に合わせて似合うファッションを楽しめばいいとは思う。
それに、若い頃と違い、もうこの年齢になるとすごく若く見られること自体はめちゃくちゃ嬉しい。
しかし、私は一生、「大人っぽい服」が着れないかもしれないのだ(笑)もちろん、童顔だといっても年はとるわけで、どうなんだろう、童顔なおばあちゃんってどんななんだろう…… 私、どうなるんだろう……
締め方がわからなくなってきたが、今日もやはり、アラサーに見えない自分の顔と、現実の年齢を天秤にかけながら、結局何も変えられないクローゼットの中を見つめてはただ扉を閉めた。