見出し画像

一番古い神様は?

神話上は、ガイア ポントス ウーラノスが古い神様だが、これらは、創成神話の神で、神話のために創作された神である。それに対して、オリュンポス12神は、神話が作られるまえから、もともとギリシアで信仰されていた神々である。外から伝わってきた神や、地元で信仰されていた神が混じっているので、生まれ順がどうなっているのか調べてみた。

アポローン

は、「遠矢の神」であり、疫病の矢を放ち男を頓死させる神であるとともに病を払う治療神でもあり、神託を授ける予言の神としての側面も持つなど、付与された性格は多岐に亘る。もとは小アジアに起源をもつ神格で、本来は繁茂する植物の精霊神から転じて牧畜を司る神となったという説や、北方の遊牧民に起源を求める説など、出自については諸説あり、複数の神格の習合を経て成立したものとも考えられている。

ヘステイアー

 古代ギリシアにおいて炉は、家の中心であり、従ってヘスティアーは、家庭生活の守護神として崇められた。スキタイで信仰される主神である。また炉は、犠牲を捧げる場所でもあり祭壇・祭祀の神でもある。さらに国は、家庭の延長上にあるとされていたため国家統合の守護神とされ、各ポリスのヘスティアーの神殿の炉は、国家の重要な会議の場であった。加えて全ての孤児達の保護者であるとされる。

ヘーパイストス

は、古くは雷と火山の神であったと思われるが、後に炎と鍛冶の神とされた。 その名前の語源は「炉」・「燃やす」という意味のギリシア語に由来するといわれているが、インド神話の火の神・ヤヴィシュタに由来するともいわれる。古くから小アジアおよびレームノス島、シチリア島における火山帯で崇拝された神といわれる。

アプロディーテー

は、生殖と豊穣、すなわち春の女神である。元来は、古代オリエントや小アジアの豊穣の植物神・植物を司る精霊・地母神であったと考えられる。

レアー

ティターン族の中では珍しく古い信仰が伝えられている神である。
紀元前三千年頃からクレータ島を中心に栄えた地中海文明(エーゲ文明)で崇められていた神々の中の最高神は、多くの古いアジアの信仰の最高神と同じく女神であり、植物や豊穣の女神であり万物の母であった。 その固有の神名は伝えられていないが、クレータ島ではレアーと呼ばれ信仰されていた。この名は後にゼウス信仰において古代クレータの神々を呼ぶのに用いられる名であった。

デーメーテール

信仰の歴史は非常に古く、紀元前10世紀(紀元前17~15世紀頃からデーメーテールの祭儀であるエレウシースの秘儀が始まっていることからさらに古い可能性もある)にも遡ると考えられる。本来、ギリシャの土着の農耕民族に崇拝された大地の女神、豊穣の女神と考えられている。

アルテミス

は、ギリシアの先住民族の信仰を古代ギリシア人が取り入れたものと、現在の研究では考えられている。

ポセイドーン

は、古くはペラスゴイ人に崇拝された大地の神(特に地震を司る)であったと考えられ、異名の1つに「大地を揺らす神」というものがある。

ヘルメース

は原始的形態においては牧畜の神にして豊饒神であったとも考えられる。もとはギリシアの先住民族ペラスゴイ人の神であったと言われ、古代ギリシアの歴史家ヘーロドトスは、ギリシア人がヘルメース柱像を造るようになったのはペラスゴイ人の風習を取り入れたものだと述べている。ヘルメース崇拝の中心地は、古代ギリシアの中でも原始的な文化をとどめていたと言われるアルカディアであった。アルカディアは牧畜民が多い丘陵地帯であり、羊飼いたちはヘルメースを家畜の守り神として崇めていた。これが神々の使者といった多様な職能をもつ人格神へと発展した背景として、ドーリア人の侵入後にアポローンがヘルメースに代わって牧羊神の役割を担うようになったことも指摘される。

ゼウス

信仰はギリシア全域で行われ、至上最高の原理として仰がれていた。古代ギリシア人たちは一神教に近い帰依と敬虔さをゼウスに捧げ、明らかに他の神々とは一線を画していた。ゼウスは運命すらも超越し、全知全能神に相応しい威厳を放っていた。

ヘーラー

はサモス島で誕生したと考えられており、サモス島は古くからヘーラー信仰の中心地となっていた。元来は、アルゴス、ミュケーナイ、スパルタ等のペロポネーソス半島一帯に確固たる宗教的基盤を持っており、かつてアカイア人に信仰された地母神であったとされ、北方からの征服者との和合をゼウスとの結婚で象徴させたと考えられる。

アテーナー

は、古くからギリシアの地にあった城塞都市にあって、「都市の守護女神」として崇拝されて来た。この崇拝の伝統は、ミノア文明まで遡る。その神殿は都市を象徴する小高い丘、例えばアテーナイであれば、アクロポリスに築かれており、女神を都市の守護者とする崇拝は、ギリシア全土に及んでおり、アテーナイ、ミュケーナイ、コリントス、テーバイなどの有力な都市でも、その中心となる丘上には、女神の神殿があった。

アレース

の好戦的な神格がギリシア人にとって不評だったこと、主にギリシアにとって蛮地であるトラーキアで崇拝されていたことによる。

イーアペトス

は、ティーターン族の1人である。 この名はギリシア人にとっては外来的な響きがあり、元は異民族の神であったことを示唆しているという説もある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?