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森岡毅さん どんな人? USJを復活させた日本一のマーケター

コロナが落ち着き、ようやくテーマパークに最近いったよ!という方も多いのではないでしょうか。ディズニーランドを筆頭に日本には様々なテーマパークがありますよね。

中でもある一人の男性の加入によりV字回復の復活を遂げたテーマパーク、それがUSJことユニバーサルスタジオジャパンになります。

この男性の名前は知る人ぞ知る「森岡毅」さんになります。

今はUSJを退社し「株式会社刀」という会社を立ち上げ、代表として様々な業種のマーケティングに携わってらっしゃいます。

刀について|株式会社 刀 (katana-marketing.co.jp)

ぼくはこの森岡さんの大大大ファンで書籍も全て買って読んでいます。物事の本質を鋭い切り口で語るところと、その語り方の熱さは最高です!熱すぎて毎回文書を読んでいるだけで火傷しそうです(笑)

今回は森岡さんについて話をしたいと思います。


経歴概略

森岡さんの経歴はもの凄いです。

  • 1972年 兵庫県伊丹市出身

  • 1996年 神戸大学経営学部卒業

  • 1996年 P&Gジャパン・マーケティング本部入社

    • ヴィダルサスーン ブランドマネージャー

    • P&G世界本社 パンテーンブランドマネージャー

    • P&G北米アジア アソシエイトマーケティングディレクター

    • ウエラジャパン 副代表

  • 2010年 P&G退社

  • 2010年 USJ入社

  • 2012年 ユニバーサル・ワンダーランドをオープン

  • 2014年 ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリーポッターをオープン

  • 2015年 集客数が東京ディズニーランドを抜き世界4位に躍進

  • 2017年 USJ退社

  • 2017年 株式会社刀創業

輝かしすぎる経歴。

P&Gは日本人だれでも聞いたことあると思います。でも何の略でしょうか?答えは「プロクターアンドギャンブル」です。米国オハイオ州に本社を置く世界最大の一般消費財メーカーです。

有名な商品で言うとシャンプーのパンテーンや、おむつのパンパース、消臭剤のファブリーズ等、超有名なブランドばかりのスーパー大企業です。社員数は10万人を超え、社員の能力が業種を超えて世界No.1になった事もある人材創出企業でもあります。

P&G ブランド (pg.com)


そんな華々しいキャリアの森岡さんがヘッドハンティングされ当時業績低迷し迷走していたUSJに入社されます。ここからの復活劇は皆さんもよくご存じだと思います。今や日本で東京ディズニーランドと並び大人気のテーマパークとなりました。

言葉だけでなく絵で。これを見ると一目瞭然です。

森岡さんが行ったのはUSJを映画の専門テーマパークから脱却し、世界最高のエンターテインメントを集めたセレクトショップへの変貌させる大改革。

森岡さんが居なかったらUSJは倒産していただろうし、これ程大阪の街に世界中から人が集まらなかったといっても過言ではないでしょう。

そう断言出来てしまうほど、森岡さんが成し遂げたUSJの大改革はインパクトあり、大阪どころか日本の経済に多大な影響を与えました。

USJの復活劇は是非、森岡さんの著書をご一読下さい。


マーケティングは数字で予測

森岡さんの凄さは何といっても「森岡メソッド」と言われる高等数学を用いた独自の戦略理論・革新的なノウハウ・マーケティング理論です。

マーケティングと聞くとセンスの良いキャッチコピーや煌びやかなデザインやパッケージで多くの人を引き付ける手法というふわっとしたイメージがあります。

しかし、森岡さんは自他ともに認める上記のような感覚的なセンスが全くないと著書で仰っています。P&Gに入社された後も先輩や同僚がセンスの良いアイディアをどんどん出すのに自分だけは全く思いつかず、入社当初は相当苦労されたようです。

代わりに森岡さんには他の人にない圧倒的な武器がありました。それは数学です。ご自身はセンスがないので圧倒的に理詰めでマーケティングを理解しようと努めました。

その結果、感覚ではなく確率論で戦う戦略を考え実践する事で抜群の実績を残し続けました。そして米国のP&G本社へP&Gジャパンの日本人がブランドマネージャーとして行くという異例中の異例人事により、ご家族と一緒に米国へ赴任されます。

ここで読んでいてこちらが苦しくなるような非常に苦しい体験を経て、ここでも抜群の結果を残されています。ぼくも辛い時に読み返し、森岡さんよりはましだなと自分を鼓舞しています(笑)

コンプレックスこそ強さの源

森岡さんはご自身の性格を情熱的、剛腕、悪い人じゃない、涙もろいと言っています。著書を読めば分かりますが熱さが尋常でないほど伝わってきます。仕事にかける熱量が半端ないので一緒に働く方はとってもストレスは感じるだろうと想像できます。とても極端な性格ではあるようです。

人と協調していくのは苦手のようで最初のP&Gでは相当苦労されたとの事。エピソードとして新人の頃に当時のマネージャーや同僚の方からの電話で非常にストレスを抱えたため、今でも電話音には非常に敏感でいい印象はないとの事。

でも流石一流のマーケター。そういう自分の強み、弱みをよく理解し、どういうポジションで働けば自分の力を最大限発揮できるかという所をよく理解し、実際仕事で抜群の成果をあげられています。

P&G時代では自身の感覚的なセンスはないと認め、強みである数学を活用した理論的で再現性の高いマーケティング手法を確立されました。

人はそれぞれ持っている得意なこと、不得意なことが違います。大事なことは自分な得意なことを活かせる職種で働けるかです。

武田信玄は「使えない人間などいない。臆病者は偵察部隊に使うと良い。勇者を偵察に向かわせると敵を過小評価ばかりする。偵察には臆病者の方が優れている。」といったと伝わります。自分の持つ強みを活かし最大のパフォーマンスを発揮していきたいですね。


好きこそものの上手なれ

森岡さんがUSJへ転職された時、P&Gの幹部候補にもなっていた事もあり上司・同僚から引き止めが凄かったようです。USJは当時業績も低迷し、周りの人は何故輝かしいキャリアを捨ててそんな所へ行くのかと理解しない人が殆ど。

それでも森岡さんがUSJへの挑戦を選んだのは、P&Gで身に着けたマーケティング手法が実践で活かせるのか試したい思いが強かった事。そして何よりエンターテインメントが大好きだった事。この2点が大きいようです。

森岡さんは自他共に認めるゲーマーで凝り性。そして見た目からは意外に見えるのですが(失礼)遊園地のようなテーマパークが大好き!

エピソードとしてモンスターハンターのUSJ大規模イベント導入にあたっては森岡さんがモンスターハンターを400時間以上やり込み、自身がモンスターハンターに滅茶苦茶詳しくなり、遊びに来るファン目線でイベントを考える事が出来たのが大成功の要因と語っていました。

家でゲームばかりしている森岡さんへの家族からの視線は当時冷たかったとの事。家族には「これは仕事なんや!」と言ってゲーム、アニメ、音楽にどっぷり浸かった事でUSJが世界最高峰のテーマパークになった事は温かく?森岡さんを見守っていたご家族にも感謝ですね。

マーケティングで会社を変える

マーケティングは日本人に馴染みやすい「合理主義」。多くの人々を幸せにするために必死に頭を使うマーケティングは1人だけ勝つことに喜びを感じる人々よりも、むしろ日本人の感性に馴染んでいる、と森岡さんは言います。

マーケティングが作り出す「ブランド」は人々が愛する対象。Nikeのロゴを見るだけスポーツがやりたくなったり、Lexusのロゴを見れば満ち足りた安心とラグジュリーなイメージが湧くと思います。マーケティングが無いと、この世界は残酷に灰色でつまらないと言い切ります。

これだけ多くの人々の生活や幸福度をダイレクトに向上させられる仕事は他に中々ないと考え、森岡さんはマーケティングの力を信じて今新しいチャレンジを意欲的にされています。

まとめ

今回のまとめ!

  • マーケティングは数字で予測

  • コンプレックスこそ強さの源

  • 好きこそものの上手なれ

  • マーケティングで会社を変える

今はUSJを卒業し、自分の会社を創業し次の人生を歩まれている森岡さん。今は「丸亀製麺」で有名なトリドールホールディングスや、USJでは断念となってしまった沖縄のテーマパークプロジェクトで変わらずお忙しくされているようです。

森岡さんは著書で自身の考え方、スキルを余すことなく書いて下さっています。マーケティングと聞くと馴染みが薄く難しいと思いがちですが、実は僕たちの日常は企業のマーケティング広告や宣伝活動で溢れています。

電車広告、ティッシュ配り、テレビ・YouTubeのCM、ネットの動画広告などなど。企業がモノを売るにあたってマーケティング必要不可欠。でも森岡さんは日本企業の弱さは売る力、すなわちマーケティング能力が欠如しているから、だと言います。

いくら優れた製品、技術を持っていても、それを活かすポジション、戦略、手法で販売しなければ売れません。マーケティングの基礎の基礎から教えてくれる森岡さんの著書はコスパ最高、熱量最高です。

是非、この機会に森岡さんの著書を読んでみたらいかがでしょうか。日本全体のマーケティング力をみんなで高めていきましょう!

確率思考の戦略論は一度で理解はなかなか難しいですが物凄いノウハウが詰まった本です。元P&Gのマーケティングを極めた2人が交互にご自身の経験、マーケティングノウハウを余すことなく公開しています。他人に教えたくないくらい(笑)貴重な情報が詰まった特におすすめの一冊です。


<森岡さんの対談動画(林修氏との対話)>



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