個別懇談会での変化球対応【教員】
僕は、基本的に懇談会は好きです。生徒のお家の様子に意外性を見つけることができるからです。保護者と会話のキャッチボールをするのは面白い。
でも、たまに変化球がくるのです。
この記事では、さまざまな球種についての打ち返し方や見逃し方を”具体的なフレーズ”を用いて、紹介します。
映像が浮かぶようにリアルに書きました。
■学校の運営法やルールに対してのクレーム
担任という仕事の範疇を超えての内容の場合、即答はNGです。学校全体で決定していく事項だからです。
その場で自分個人的な意見を言うのも極力やめておいた方がいいでしょう。保護者との衝突を避けるための淡い共感はかまわないと思いますが、「僕もツーブロックはOKだと思うんですけどね~」みたいな”学校を売る”発言はNGです。
時代遅れなルールや仕組みは、学校には存在します。が、それを生徒や保護者の前で否定するのは、教師陣のチームワークの悪さの示しているようなものです。
となりで生徒が聞いています。「先生個人は良いと思うのだけど・・・」と言った時点で、今後の生徒指導がやりにくくなるのです。
違和感のあるルールや仕組みは職員同士で話をして解決しておくべきです。
【変化球対応その1】
ベストは、変化球がきたその瞬間に、なぜそのような校則や運営法になっているか筋の通った説明ができることです。
「あとで検討します」、「またお返事させてください」と言うよりも話が早く済みます。「担任の先生もよく分かってないやん・・・」と思われることもなくなります。
ただ、その場で取り繕って無理やりひねり出した説明では、矛盾が生まれ、ツッコまれることになります。納得感のある返事をあらかじめ準備しておきましょう。
■学校が把握していない生徒のいじめられ事案発覚
懇談時に保護者から「実は、この子〇〇さんから休み時間に手を出されているんです」など、担任教師が把握していないいじめ事案が懇談会で初めて出てくる可能性があります。
これは、焦る。
このパターンの変化球は3つの要因が絡んできます。
3つの要因に対するそれぞれのアプローチを書きます。
その1。担任が休み時間などに生徒のことを見ておくこと。担任の仕事は「生徒に”自分は見てもらっている”、保護者に”子供をみてもらっている”」と感じてもらい、安心感を与えることです。
その2。被害生徒が担任の先生に、いじめられていることを相談しなかったパターンの対応
「先生が加害生徒を指導すると、あとで加害生徒に仕返しされる」という報復を恐れている、または「先生に言っても変わらない」と先生を信用していない生徒は相談しません。
【変化球対応その2】
何でもかんでも すぐに加害生徒を指導しようとする先生に、自分の困っていること相談したいと思う生徒はいません。
生徒の気持ちを聴いて、指導するなら指導する。見守るだけなら見守る。「どうするかは一緒に考えよう」というスタンスでいることが大切だと思いますね。
でも、このように声かけをしても、話してくれない生徒は話してくれません。
法的な話になりますが、”上記のような声かけをした”という事実があることが、いじめ事案がこじれたときに”学校のお守り”となります。
その3。懇談時にいじめ事案が発覚するときの発覚の仕方を和らげる。
先生の目が節穴であることを自ら露呈する流れになっています。これを防ぐために、前置きの一言を添えましょう。
【変化球対応その3】
この一言を言うことで、頭の中がお花畑で平和ボケしている教員という印象をもたれることは免れます。
僕は、36人全員の懇談でこの前置きのセリフを言うようにしています。
学校内でのいじめられ事案が発覚した場合は、把握できなかったことを誠実に謝り、どうしていくかを3者で考えましょう。
■他の先生へのクレーム
顧問の先生や、教科の先生の言動に対してのクレームが、懇談会で出てくるときがあります。
「お前らクソか!」という部の顧問の口が悪すぎると言ったクレームです。
となりに生徒がいるので、この場でオープンにしないでよ、と思ってしまいます。担任が保護者や生徒に共感して、同僚の先生のことを悪くいうことはできませんし、保護者を目の前にして、”生徒であるあなたに責任がある”と言うことも難しいです。
他の先生へのクレームがきたら、話題に笑いを含み、クレームをフェードアウトさせることが一番だと感じています。真向勝負は危険です。
今まで自分が言ってきたフェードアウトの言葉を紹介します
【変化球対応その4】
この記事では、懇談の心得だけにとどまらず、具体的なセリフを書きました。
1学期の懇談会前に、この記事を読んでいる教員の方々のためになれば幸いです。