【大人】フッ素塗布や歯磨き粉の効果が知りたい!自宅での活用法も解説!
「歯磨き粉の種類によってフッ素の濃度は違う?」
「歯医者さんのフッ素塗布と歯磨き粉のフッ素は同じ?」
「フッ素は体に悪いって聞いたから不安……」
フッ素は虫歯予防に効果があることは知っていても、実際の効果や歯磨き粉を選ぶ基準は、分かりにくいですよね。
この記事では、歯磨き粉に含まれるフッ素の見分け方や、効果的な使用方法を解説します。
せっかく高濃度配合の歯磨き粉を使っても、使用方法を間違えると、予防効果は半減します。
「念入りに歯磨きをしているのに虫歯になってしまう」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
フッ素の効果・効能
どれだけ念入りに歯を磨いても、プラークを完璧には除去できません。プラークが残っていると、つめ物のすき間から虫歯菌が侵入し、虫歯が進行します。
フッ素を活用すると、虫歯菌の活動を抑え虫歯のリスクを軽減できます。
フッ素の効果を詳しくみていきましょう。
虫歯菌が酸を産生して歯を溶かす
はじめに、虫歯で歯が溶けるメカニズムをかんたんに解説します。
虫歯予防に効果絶大!フッ素の3つの効果・効能
フッ素は、虫歯菌の働きを弱めて、歯を強くする作用があるため、虫歯予防には欠かせません。
具体的な役割は、以下の3つです。
虫歯菌による酸の産生を弱める
歯の表面を強くして、溶けにくにい歯を作る
酸で溶けて軟らかくなった歯を修復する
フッ素は、お口を虫歯になりにくい環境に保ち、かつ歯を強くしてくれるのです。
大人の虫歯予防にフッ素が有効な理由5つ
フッ素といえば、子供の虫歯予防というイメージが強いですが、大人にも十分効果があります。
とくに大人特有の、根面虫歯やニ次カリエスの予防に効果を発揮します。
大人にもフッ素が有効な理由を詳しくみていきましょう。
1.治療したつめ物は、虫歯が再発しやすいため
つめ物はどれだけ精密に作っても、つめ物と歯の間に段差ができてしまいます。
段差は虫歯菌のすみかになるため、つめ物がある歯は治療していない歯に比べて、虫歯のリスクが高くなります。
ブラッシング時は、治療した歯にフッ素が届くように意識しましょう。
2.露出した歯根は、虫歯のリスクが高いため
歯周病で歯茎が下がると、歯根が露出します。
歯根の表面はセメント質であり、エナメル質に比べて軟らかく、虫歯の進行が早いのが特徴です。
「昔は虫歯になりにくいタイプだったのに、歳を重ねて虫歯になりやすくなった」と感じている方は、歯根面の虫歯が多発しているのかもしれません。
また、露出した歯根の周りは歯ブラシが届きにくいことも、虫歯のリスクが高まる理由でもあります。
フッ素は根面むし歯に対して、67%の予防効果があると報告されています。
参考:厚生労働省「e-ヘルスネット『フッ化物配合歯磨剤の予防効果』」
デンタルフロスや歯間ブラシに歯磨き粉をつけて、歯根面にもフッ素が留まるように工夫しましょう。
3.加齢で唾液が減り、自浄作用が低下するため
唾液には、食べかすを洗い流す自浄作用や、虫歯菌の繁殖を抑制する抗菌作用があります。
唾液は加齢とともに減少するため、高齢者は虫歯のリスクが高くなるのです。
4.入れ歯やブリッジで唾液がうまく循環しないため
入れ歯は、唾液腺がある歯茎を覆うため、唾液が減ります。さらに、歯と入れ歯の間に汚れがたまります。
またブリッジは、上部のかぶせ物がつながっているため、唾液の循環が悪くなります。
入れ歯を使用している場合、食事後はやめに外して、流水下で洗い清潔に保ちましょう。
5.毎日忙しく、歯磨きがおろそかになるため
大人になると、毎食後に時間をかけて歯を磨くのは不可能に近いでしょう。
仕事や家事、育児に追われて、寝る暇もないというのが現実です。
忙しくて歯磨きが不十分な方こそ、フッ素が有効なのです。
フッ素塗布と市販歯磨き粉はフッ素濃度が違う?種類を知ろう!
歯科医院専用のフッ素塗塗布と歯磨き粉では、フッ素濃度が異なります。
また、歯磨き粉の中でも種類によってフッ素濃度が異なります。
歯科医院で処置するフッ素塗布のフッ素濃度は、歯磨き粉のフッ素濃度の6~18倍です。
フッ素塗布は、歯の状態に合わせて歯科医師が判断し、1~4か月の頻度で塗布します。
自宅でのフッ素ケアに合わせて、定期検診でフッ素塗布をすることで、ダブルの効果を発揮します。
定期検診でフッ素塗布を希望される方は、かかりつけ医に相談しましょう。
歯磨き粉に含まれるフッ素の成分名は?
ドラッグストアで歯磨き粉を選ぶとき、商品を見てもフッ素が入っているのかどうか分かりにくいですよね。
まずは、成分表示で成分名を確認しましょう。
以下の3つのうち、いずれかが表示されていれば、フッ素配合であると判断できます。
<歯磨き粉に含まれるフッ素の成分名>
モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)
フッ化ナトリウム(NaF)
フッ化第一スズ(SnF2)
歯磨き粉を選ぶ3つのポイント
フッ素入りの歯磨き粉を選ぶ際、自分に合わない歯磨き粉を選んでしまっては、フッ素の効果が正しく発揮されません。
選ぶときのポイントを確認していきましょう。
1.高濃度フッ素配合「1450ppm」がオススメ
高濃度フッ素配合「1450ppm」と書かれているものを選びましょう。
2023年現在、フッ化物イオン濃度は1,500ppm以下に定められており、1,450ppm程度までのものが販売されています。
参考:厚生労働省「e-ヘルスネット『フッ化物配合歯磨剤の種類』」
「フッ素配合」「虫歯予防」と書かれていても、フッ素濃度が書かれていないと、実際にどの程度フッ素が含まれているのか、購入者には分かりません。
500ppmと1450ppmでは、フッ素濃度は約3倍の差。
同じように使用しても、フッ素濃度が低ければ、虫歯予防の効果が期待できません。
高濃度フッ素配合「1450ppm」歯磨き粉は、以下を参考にしてください。
2.泡立ちが苦手な方は「ジェル」または「低発泡」
歯磨き粉をつけると、口の中が泡でいっぱいになり磨きにくい方は「ジェルタイプ」「低発泡タイプ」を選びましょう。
発泡剤が入っていない「ジェルタイプ」は、歯に停滞しやすいため、フッ素が歯に定着しやすい特徴があります。
歯磨き粉をつけても、泡をすぐに吐き出してしまっては、フッ素の効果が減少します。
はじめから指定の量をつけずに、歯磨き粉を少しずつ足しながら磨くのもおすすめですよ。
3.刺激の少ない味がベスト
ミントの爽快感が好きという方も多いですよね。
しかし、刺激の強いフレーバーは唾液が出やすくなるため、注意が必要です。
せっかく高濃度フッ素配合の歯磨き粉を使っても、唾液で薄めてしまっては虫歯予防の効果が弱まります。
刺激の弱い味がベストですが、どうしても爽快感を味わいたいという方は、朝と夜で歯磨き粉を使い分けるとよいでしょう。
虫歯予防の効果を発揮できるブラッシング方法5つ
高濃度フッ素配合の歯磨き粉を適切な使用することで、虫歯予防の効果が最大限活かされます。
予防効果を高めるブラッシング方法を、以下で詳しくみていきます。
ブラッシング前に、ぶくぶくうがいで汚れを除去する
口内に食べ残しがあるまま歯を磨いても、汚れが取れません。かえって、歯ブラシで擦って食べ残しを奥に入れ込んでしまう可能性があります。
歯磨き前に、うがいで食べ残しを洗い流しましょう。
<うがいのポイント>
左右の頬に、唇の内側にも水を含み、10秒ずつぶくぶくうがいをする
歯と歯の間にも水が通るように強くうがいをする
口内の食べ残しがなくなるまで、うがいを繰り返す
うがいの有無で、フッ素の効果が大きく変わります。
今日から実践してみましょう。
1,450ppmのフッ素配合歯磨き粉を1.5~2cm程度つける
厚生労働省のホームページでは、6歳~成人に対して、1,400~1,500ppmのフッ素配合歯磨き粉を、歯ブラシ全体に1.5~2cm程度使用することが推奨されています。
参考:厚生労働省「e-ヘルスネット『表. フッ化物配合歯磨剤の年齢別応用量と使用方法』」
奥歯から磨く
歯磨きは、奥歯から磨くのがポイントです。なぜなら、虫歯になりやすい部位は、奥歯の溝、奥歯の隣接面であるためです。
フッ素が奥歯まで行き渡るように、はじめに上下、左右の奥歯に歯磨き粉をつけてから磨き始めるのがおすすめです。
歯間ブラシやデンタルフロスにも歯磨き粉をつける
歯間ブラシやデンタルフロスに歯磨き粉を直接つけて磨くと、歯ブラシでは届かないすき間までフッ素が届きます。
小皿に歯磨き粉を出して、少しずつつけながら磨きましょう。
虫歯のリスクが高い部位は、つめ物と歯の間や、歯茎に近い歯根面です。
直接つけなくても、お口の中に歯磨き粉がある状態で、歯間ブラシやデンタルフロスを使うだけでも効果はありますよ。
歯磨き後のうがいは少量の水で1回のみとする
フッ素を口内に残すために、歯磨き後のうがいは、少量の水で1回のみとします。
うがいに使用する水の量は「ペットボトルのキャップ1杯分(5~10ml)」。
少量にするのがポイントです。
ブラッシング後、泡は吐き出さずに水を口に含みます(イエテボリ法)。
30秒間ぶくぶくうがいをしたあと、吐き出します。これで終わりです。
今まで何度もうがいをしていた方は、味が残り違和感があるかもしれません。
しかし、何度もうがいをすると、フッ素が流れしまい虫歯の予防効果が弱まります。
歯磨き粉の味が苦手な方は、刺激の弱い味に替えるのもよいでしょう。
少しずつ、実践すると慣れてきますよ。
フッ素の使用後は、食事を避ける
フッ素の効果を高めるために、フッ素塗布や歯磨き粉の使用後は2時間、食事を控えるのがベストです。
ただし、すぐに間食するからといって歯磨きをしないのは見当違いです。
フッ素を使用したあとに飲食を控えることで、フッ素の効果が高まることを理解しておきましょう。
フッ素配合の歯磨き粉を1日2〜3回使用する
1日に2〜3回フッ素を取り込むことで、口内にフッ素が残り、虫歯になりにくい状態を維持できます。
とくに、就寝中は唾液が減るため、菌が繁殖しやすくなります。
日中はブラッシングが困難な場合でも、就寝前はできるだけフッ素配合の歯磨き粉を使い、フッ素で歯をコーティングしましょう。
【フッ素頻度】毎日使用する
フッ素は1回使用しただけで、虫歯効果が継続するわけではありません。
毎日継続することが大切です。
虫歯になると「歯を削る、型をとる、つめ物をつける」といった治療に、何度も通院しなければいけません。
神経まで進行してしまうと、さらに治療回数が増えます。
虫歯から歯を守るためにも、日々のケアにフッ素を取り入れましょう。
フッ素に関するよくある質問Q&A
フッ素に関するよくある質問をまとめてみました。
Q.インプラントが入っているけど、フッ素入りの歯磨き粉を使っていいの?
A.インプラントが入っている状態でフッ素入り歯磨き粉を使っても問題ありません。自分の歯が残っている場合は、フッ素配合の歯磨き粉を活用しましょう。
ただし、インプラントは虫歯にはならないため、自分の歯が1本も残っていない場合は、フッ素は必要ありません。
Q.歯磨き粉をつけると磨きにくいから、水だけで磨いている場合はどうしたらよい?
A.まずは、普段通り水だけで磨きましょう。
ブラッシング後、フッ素配合の歯磨き粉を歯全体に塗布して、軽くブラッシングします。
2分経過したあと、少量の水で軽く1回のみうがいをしましょう。
Q.大人でも保険適用でフッ素塗布できる?
A.大人でも保険適用でフッ素塗布が可能です。
ただし、エナメル質初期う蝕がある場合など条件が限られます。まったく虫歯がない場合は保険適用外になる可能性があります。
フッ素塗布が保険適用となるかについては、診断した歯科医師の判断によりますが、全ての歯において、ざらつきや白い変色がまったくない方はほとんどいないでしょう。
また、厚生労働省から「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として認可が下りている歯科医院では、毎月、フッ素塗布やクリーニングを受けられます。
歯科医院を探している方は「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」を目安に探してみてもよいでしょう。
フッ素塗布を希望する方は、かかりつけ医に相談しましょう。
フッ素が危険といわれる理由
フッ素は体に悪いと聞いたことがあり、フッ素入り歯磨き粉を使用して問題ないか不安に思っている方もいるでしょう。
多量のフッ素を取り込んだ場合に「フッ素症」を発症する危険性があるといわれています。海外では、虫歯予防のために水道水にフッ素を添加している国があります。その場合、幼児期に多量の水道水を飲むと「フッ素症」のリスクが高まるため、使用量やうがい方法について細かく配慮されています。
日本では、2023年現在、水道水にフッ素添加は行われていません。
歯磨き粉やフッ素塗布は、フッ素を摂取するのではなく、塗布して吐き出すため、口内に残るフッ素がごくわずかです。そのため、正しく使用していれば、「フッ素症」の心配はありません。
まとめ:フッ素を正しく使い、効果を最大限に活かそう!
今回はフッ素配合の歯磨き粉を選ぶポイントや、効果的なブラッシング方法について解説しました。
虫歯を予防するためには、フッ素を長時間口の中に留めることが重要です。
フッ素塗布をしたり、高濃度フッ素配合歯磨き粉を使用したりしても、うがいでフッ素を流してしまうと効果がなくなります。
歯磨き後のうがいは、少量の水で1回にすることがオススメです。
フッ素は、忙しくて歯磨きに時間をかけられない方にとって有効です。
高濃度歯磨き粉を正しく使って、健康な歯を長く維持しましょう。