[小説]だから尻尾をふったんだよ
〜バレーボールというボクの敵〜
ちかちゃんは小学校の3年生の頃に、お母さんに半ば無理やりにバレーボール教室に連れて行かれた。
お引っ越しが多かった分、お友達ができないんじゃないかとお母さんは心配していたんだ。ボクがいるっていうのに、だ。
ちかちゃんはどんどん忙しくなって、これまでのようにはお散歩も行ってくれなくなった。
ボクは少しバレーボールとやらが恨めしかったし、ちかちゃんもボクと散歩に行けないことを心の中できっと悔やんでいただろう。
だけど学校帰りには一番にボクの小屋に来て体を撫でてくれる、それだけでボクは嬉しいよって言いたかったけれど、ボクは人間の言葉を離せない。
だから尻尾をふったんだよ。
〜中学生になっても〜
中学に上がるとちかちゃんのバレーボールはもっともっと忙しくなった。
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