伯父との別れの日
私が40歳になるちょっと前、
私が中学生の時に亡くなった祖母の17回忌法要があった。
この法要を終えると、しばらく我が家の法要はないということで、
親戚一同が集まっていた。
私が東京にいることもあり、なかなか会える頻度もなくなり、
10年以上ぶりに会う親戚もいた。
別の回でも書いているが、
家が貧乏で、母はいつも働いていたので、
夏休みに祖母が入院した時は、
近くのいとこの家に預けられたこともあった。
いとこのお姉ちゃんは、女の子らしいおもちゃで遊んでくれた。
私があまり女の子のおもちゃを持っていなかったので楽しかった。
いとこのお兄ちゃんは、テレビゲームをいっぱい持っていて対戦してくれた。
ボンバーマンとかパックマン、ストリートファイターは、このお兄ちゃんに教えてもらった。
そんなワケで、ここの家は結構好きだった。
伯父さんは、私が東京に行くことに反対しない人だった。
だから、会う度に
「元気にしてる?」
「無理しちゃダメだよ」
「辛くなったら帰ってきなさい」
と言ってくれていた。
この日も同じように言ってくれて、私はとても気持ちが楽だったのだが、
ふとした瞬間に、
「あぁ、もう会えないんだな」
と思った。
そう思ったと同時に
「こう思ってしまったということは、伯父さんは長くないんだな」
と冷静に理解した。
どうかこの感覚がウソでありますように、、、
そう願いながら東京に戻ってから、約2ヶ月後。
またも母からの連絡がきた。
母「おじちゃんが亡くなったよ。こないだ会った時は全然そんな感じじゃなかったよね。でも、病気してたんだって。あの後、急変したんだって。」
私は分かっていたので、驚かなかったのだが、
こうして親族の死の予告が当たり続けていることがショックだった。
この先もこうして予告していくのだろうと思うと、気持ちが沈むのだが、
できればこの能力を人助けに使えないか、ずっと自問自答している。