祖母の忠告

これは、私が28歳頃の時の話。
当時は超多忙で、しょっちゅう会社に泊まっていたし、
地方にも出張に行っていて、
あまり家にいることがない生活をしていた。

そんなワケで、家に対して贅沢な希望もなく、
私はユニットバスの1Kの極狭マンションに住んでいた。

ある日の夜中、いつものようにユニットバスでシャワーを浴びていたら、

祖母「●●はどうしている?気がかりだわ」

と、私が中学生の頃に亡くなったはずの祖母の声が聞こえた。

私は祖母が言う「●●」という名前が誰なのか分からず、
しばらく考えていた。

それから1ヶ月くらい経った頃、母から連絡があった。

母「●●おばちゃんが亡くなったよ。脳腫瘍があって今度、手術するって話だったけど、間に合わなかったみたい」

あぁ、、、●●おばちゃんか。

そうか、おばあちゃんは自分の娘の命を案じて、私に伝えていたのだ。
それなのに、私が気付いてあげられなかった。

とても申し訳ない気持ちになった。

しばらくして、亡くなった伯母の家に伺った際に、
「気付いてあげられなくてごめん」
と伝えた。
それしか、私にできることはなかった。

その後も時々、祖母は私にいろいろ言ってくる。笑

時には父のことを心配し、
「○○はどうしてる?ちょっと気をつけなさい」
と言ってきたこともあった。
この頃、父は、お酒を飲み過ぎていて、健康診断の数値があまり良くなかったそうで、
祖母からの言葉を伝えたら、すぐにお酒の量を減らしてくれ、
数値も良くなっていった。

祖母が何か言ってくる時は、
父が飲み過ぎている時だというルーティーンができた。笑

まぁでも、いつかはみんな亡くなっていくのだから、
その時は、それなりの祖母の言葉が聞こえるのだろうと思っている。

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