![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/81165128/rectangle_large_type_2_7093224c497b49a0bf7e3373a3d817cc.png?width=1200)
きょうだいってなんだ?
私は3人きょうだいの一番上だ。
私の下に、妹と弟がいる。
3つ下の妹は、おっとりした、のんびり屋だ。
妹が産まれた時は、私が3歳だったと思うので、記憶にないのだが、
活発な私とは対照的に、おとなしくお人形遊びをしていたように思う。
4つ下の弟はが産まれた時は、
母が小さな赤ちゃんを幸せそうに抱っこして、
ニコニコしていたのを覚えている。
家の中がゴチャゴチャしていたこともあり、三人がお互いを察するように成長してきたように思う。
仲が良いかと聞かれたら、全然良くないと思う。
私が6歳くらいの頃、妹と弟と一緒にお店屋さんごっこをして、
自分勝手だった私は好きなように物語を進めていた。
まだ幼かった二人は、言われるがママについてきた。
三人で遊んだ記憶は、それだけしか残っていない。
妹は性格的に真逆だったこともあり、一緒に遊ぶことは少なかった。
ときどき一緒に遊んでも、だいたい私が指示を出す感じだった。
弟は小さい頃から数字が好きだったので、保育園の頃に、九九を教えたら全部覚えてくれた。姉として、ちょっと誇らしかった。
母が生活のために不規則な仕事を始めてからは、
私がご飯を作って食べさせたり、
宿題をしなさいと注意したり、
明日の学校の準備をさせたり、
ゲームをしすぎていたら止めさせたり、、、
今思えば、母と近いことをしていた。
そのせいか、二人は私のことがとても怖かったらしい。
次第に、私に口答えしなくなっていった。
ちょっと、やり過ぎたかなぁと思った時もあった。
私が上京して3年後、
高校生になった妹が夏休みに友達と一緒に東京に遊びに来た。
私の家に泊まってもらい、面倒をみた。
ある日、夜遅くなっても帰ってこなかったため、
当時同棲していた彼氏と、心配しながら待っていた。
23時近くに妹と友達が帰ってきて、とても楽しそうにしていたのだが、
東京に慣れていない上に、何の連絡もなく、遅くまで遊んでいたことに、
本当に腹が立ち、めいっぱい怒った。
怒りすぎて、妹も友達も途中から泣き出した。
怒っている私も泣いた。
その様子を見ていた彼氏が、
「ちょっと怒りすぎ。でもこんなに怒るくらい、あなたたちを心配していたんだよ。それは分かってね」
と優しく説明してくれた。
翌日、「心配かけてごめん」と言って、妹は実家に帰っていった。
後日になるが、その時の友達が、
「お姉さんが怒ったのは本当に怖かったけど、気持ちがとても嬉しかった。優しい人なんだと思った」
と妹からの伝言で聞いた。
言い方はだいぶ間違えてしまったけれど、伝わるんだなと思った。
弟は、私が東京に上京して4年後、
大学に進学する際に「実家から通えるところ or 姉ちゃんの家から通えるところ」という条件を付けられたようで、東京を選択し、一緒に住むことになった。
あまり時間がない中で物件を決めなくてはいけなかったため、
弟の部屋がちょっと狭くなってしまった。
申し訳なかったけれど、私はもう社会人で仕事をしていたので、通勤のことも考えなきゃいけないし、自分たちが払える家賃で考えると仕方なかった。
私が上京してきたときもそうだったが、
家賃は親が払ってくれていたが、家賃以外の生活費は自分でバイトをして生計を立てていた。
あとは奨学金をもらっていたので、それでなんとかなっていたのだが、
弟も同じ条件で東京にやってきた。
ある日、バイトから帰ってきてゲームをしていた弟が、
「壊れた洗濯機だけど、母ちゃんに言ったら、新しいの買ってくれるって。明日届くよ」
というので、私はめいっぱい怒った。
親からもらうのは家賃だけという約束だったはずで、
社会人だった私が、
洗濯機はいつか必ず買うからそれまではコインランドリーで勘弁して、
と弟に約束していたのに、
あいつは母に言って、洗濯機を買ってもらっていた。
私と一緒に暮らしているので一人暮らしではないが、
親から離れて生活をするということは、
それなりの覚悟の中で生きていくことだと思っていたのだが、
弟にはその覚悟がなく、困ったら親にすがる姿勢が本当に許せなかった。
めいっぱい怒ったら、弟は泣いた。
怒りながら私も泣いた。
後日、母からは「あんたぁ、だいぶ怒ったらしいけど、大事なことを教えてやってくれて、こっちにも気を遣ってくれて、ありがとう」と言われた。
そんなワケで、その後、妹と弟からは
「優しいんだけど、怒ると怖いから、怒らせない方がいい」
と言われるようになった。
妹と弟がそれぞれ結婚した際は、
私なりの最大級のお祝いとして、
結婚式や披露宴を動画で撮影し、編集してDVDにしてプレゼントした。
見てくれてはいないかもしれないけれど、
そこに深い愛情があることは理解してくれていると思う。
今は二人とも、実家の近くで生活しているので、
私が実家に帰ったら会うくらいだが、ほとんど会話をすることはない。
子供の頃の微妙な、察したような家族関係が、
私たちきょうだいの中では今でも、そのままである。
会話をすることがほとんどないので、
「仲良し姉妹」とか「仲良しきょうだい」っていう話を聞くと、
到底、私たちには難しいことだなと思う。
どうやったら、そうなれるんだろう、、、誰か教えてくれ。笑
そういえば、いつだったか、
母が何かにものすごく怒っていたことがあり、
「これをうまくなだめないと、母ちゃんが何をやり始めるか分からないからね、母ちゃんの性格わかってるでしょう?」
と私が言うと、妹は黙って「うん」と頷いた。
ほとんど会話はしないけれど、分かるんだな、と
きょうだいも悪くないかもしれないと思った。
結婚をしていない私の老後は、
妹や弟、その子供達の世話になるのかもしれないが、
あの微妙な空気感を知っているからこそ、もう誰にも迷惑をかけたくないと思う。
できればそっと、誰にも迷惑かけることなく、いなくなれたらいいなと思うけれど、なかなか、そうはいかないだろう。
いや、「姉ちゃんの面倒はみない!」って先に言われるかな。
もしくは、弟はちゃっかりしているので「面倒みるから遺産をくれ!」って言いそうだな。
ちなみに、弟と一緒に暮らしていた時に母に買ってもらった洗濯機は、
20年経った今でも私の家で活躍している。
何度も引越したのに、まだどこも壊れてなくて現役である。
いいなと思ったら応援しよう!
![milkteary](https://d2l930y2yx77uc.cloudfront.net/assets/default/default_profile_1-9b784003abbac36db44620c7f48629787caea4d53ae4e4f1b710aed18e204e23.png?width=600&crop=1:1,smart)